「無駄な待ち時間をポイントに」。ポイントサービスに新潮流

H2Hの代表取締役・木村雄幸氏

H2Hの代表取締役・木村雄幸氏

 いまや節約上手な人にとってはかなり日常的なアイテムとして浸透しているポイントやクーポン。しかし、ポイントを貯めるには相応の金額の買い物も必要だったり、ポイントカードをいちいち出すのが面倒だったりと厄介に思う人も少なくない。  そんな中ベンチャー企業のH2Hが“待ち時間や滞在時間など無駄な時間をポイントとして貯める”というコンセプトのサービス「タイムウォレット」を開始した。  システムはシンプルだ。専用アプリをダウンロードし、ビーコン(無線機器)を設置した加盟店に行くと、ビーコンの電波圏内に滞在した時間をアプリが計測。その時間に応じてポイント(min)が貯まるという構図。サービス開始に先立って行われた実証実験では、都内のタクシー会社「グリーンキャブ」がビーコンを搭載、移動中に渋滞に巻き込まれてもその時間だけポイントを貯められるため、乗客のストレス軽減にも繋がったという。  H2H代表取締役・木村雄幸氏は語る。 「加盟店はビーコンの設置・管理費用はかかりますが、従来のポイントサービスとは違い、ポイント(min)発行の際に原資をご負担いただくことなく集客のためのツールとして活用していただける。サービスを提供して頂く加盟店も、従来のクーポン配布や駅前でのティッシュ配りより安価かつ効率的に集客できます。そしてユーザーは無駄な時間をポイントに替えることで有意義な価値ある時間を過ごせるという仕組みです」  同社は、現在各加盟店に配布しているビーコンを元に、さらなるサービスの展開も視野に入れているという。 「ビーコンを設置することで、加盟店からは貴重なマーケティングデータを収集することができ、このデータを使ったビジネスを展開することも考えています。まだまだ加盟店は少ないですが、“時は金なり”の言葉を噛み締めて、迅速に事業を拡大していきたいです」  2017年には加盟店2万店、利用者420万人、売上11億円を目指すというこのサービス、“時は金なり”なビジネスマンにどこまで浸透するか、注目したい。 <取材・文/HBO取材班>