マイルドヤンキーの食文化と株価
2014.10.21
日本の人口の半数以上を占めると言われているマイルドヤンキー。彼らの消費動向を探ると、今後成長していく企業が見えてくるという。オススメのマイルドヤンキー株をアナリストが解説する。
基本的に飲食にお金をかけない傾向にあるマイルドヤンキーは、飲み会も宅飲みで安く済ませる場合が多い。
「宅飲みで買うものといえば、やっぱりお酒やお菓子類。なので、アサヒやカルビーなどの企業に目をつけるのもいいと思います。また、お弁当やお惣菜を買って家でパーティーをするとなると、中食業も意外とニーズは大きいですよね。ほっともっとを経営しているプレナスなどが当てはまるのではないでしょうか」
とはいえ、やはり『マイルドヤンキー=居酒屋に集まる』というイメージは強い。彼らはもう居酒屋に集うことはないのだろうか?
「そんなことはありません。ただ、以前とは趣味嗜好が確実に変わっていますね。例えば、かつては安くて品数豊富なワタミが人気でしたが、なんでもありすぎてコレといった特徴がない。それだったら『焼き鳥がメインの鳥貴族に行こう』というように、特徴のある居酒屋の業績が伸びつつある。実際、7月に鳥貴族は上場しました」
独自性のある居酒屋にマイルドヤンキーの需要があるとアナリストの小川佳紀氏は言う。その独自性が彼らの心に見事に刺さったのが、カレーハウスCoCo壱番屋だ。
「食べたい辛さ、量、トッピングをすべて自分流にアレンジできるのがココイチのいいところ。何度行っても新しい味に出会えるのも魅力ですね。チェックしておくべき銘柄だと思います」
また、ここ最近特に業績を伸ばしているのが回転寿司だという。
「一昔前は、マイルドヤンキーが集まるファミレスといえばサイゼリアでしたが、今は断然回転寿司でしょうね。特にくら寿司は人気です。100円で気軽にお寿司が食べられるし、子供が好きなコーンを使ったお寿司もある。最近はラーメンやデザートの種類も豊富ですよね。ファミリー層をターゲットにしたメニューが充実しているのが、マイルドヤンキーの支持を集めているのではないかと思います」
回転寿司業界ではくら寿司の一人勝ち。これは買いかも!
<決算時の材料次第では株価アップ>
●壱番屋
4月に株価が上がったあとは横ばいに落ち着いているが、日本株全体を通してみると顕著な数字。客数、売り上げも好調なので、次の決算後にまた高値に戻る可能性あり
<冷夏によるビールの不振に注意>
●アサヒグループHLDG
自社株買いをして株主還元策を行ったため高評価。株価は上昇。ただ、冷夏になると言われている今年は、夏のビールの売り上げによっては業績に悪影響を及ぼす可能性も。
<業績好調だが過熱感気味な面も>
●株式会社くらコーポレーション
順調な右肩上がり。3月、6月の決算発表が良好だったことを評価して、株価が上がった。ただし、短期的に上がりすぎていることから、やや過熱感がある
【小川佳紀氏】
フィスコ株式リサーチ部アナリスト。中堅証券会社を経て現職。中小型株や新興市場株の分析から為替相場の動向まで幅広く担当する。世界を見据えた銘柄選定に定評がある。
― マイルドヤンキーが株価を動かす【5】 ―
マイルドヤンキーの間では回転寿司が大ブーム
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