消費市場の4割強を占めるマイルドヤンキー層

日本の人口の半数以上を占めると言われているマイルドヤンキー。彼らの消費動向を探ると、今後成長していく企業が見えてくるという。オススメのマイルドヤンキー株をアナリストが解説する。

マイルドヤンキーが株価を動かす

マイルドヤンキー アベノミクスバブルに乗って、株で大儲けした人たちがいるなか、最後まで波に乗りきれず、悔しい思いをした人が大半だろう。しかし、落ち込むにはまだ早い。これからの日本株価の大きなヒントとなる存在として本サイトが注目したのが、“マイルドヤンキー”だ。  攻撃的なファッションや性質を好んでいた一昔前のヤンキーと違い、マイルドヤンキーは、生まれ育った町を離れることなく、地元の仲間とだけ遊んで生きていきたい、そういった思考の人々を指す。近所のドン・キホーテやイオンで洋服や家電を揃え、休日は家族でワンボックスに乗って、ディズニーランドまで行けたらそれで満足……。そんな、狭い世界で生きている彼らがなぜ、日本の株価に関わってくるのか。それは、その市場規模にある。  というのも、一説によれば、日本の人口1億2000万人のうち、ヤンキー的な趣味趣向の人は5000万人いると言われている。また、ヤンキー文化研究者の斎藤環氏によると、そもそも日本人の8割がヤンキー的性質を持っているというのだ。
小川佳紀氏

小川佳紀氏

 日本市場が多くのマイルドヤンキーによって占められているとすれば、彼らのハートに突き刺さるようなビジネスを展開している会社こそが、将来有望なオススメ企業というワケだ。株式アナリストの小川佳紀氏によると、地元大好きなマイルドヤンキーに目をつけた企業は、すでに地方への出店を積極的に行っているという。 「コンビニ最大手のセブン&アイは、飽和状態の都心から離れ、地方での出店に力を入れています。また、ディスカウントストアのドン・キホーテは、ファミリー向けの店舗、MEGAドンキを郊外に展開するなどマイルドヤンキーに向けた出店戦略を行っていますね」  そこで、次回からは、マイルドヤンキーの嗜好や生活パターンを細かく分析。彼らの消費動向から、これから成長していくであろう企業を調査した。マイルドヤンキーの生体を紐解いたとき、本当に買うべき株がわかる! 【小川佳紀氏】 フィスコ株式リサーチ部アナリスト。中堅証券会社を経て現職。中小型株や新興市場株の分析から為替相場の動向まで幅広く担当する。世界を見据えた銘柄選定に定評がある。 イラスト/TOMOKUNI ― マイルドヤンキーが株価を動かす【1】 ―