投資で稼ぎたいなら、まず家計簿をつけろ

ホワイトデーの「お返し」で、損していることに気付け!

家計簿 こんにちは。ジョン・ポール・絵馬です。  3月はホワイトデーでしたね。お返しの品を何か貰いましたか?  2000円分のチョコを5人に配って、5人から3000円相当のお返しを貰い、1万円の投資で1万5000円のリターンだ、やったぜ、とか思っていませんか。  残念ですがそうではないかもしれませんね。  お返しの品がお菓子だった場合、あなたはその菓子を食べることによってカロリー摂取量が増え、肥満度が増加し、病気リスクが高まり、結果として医療費が上がることによって総じて損することになります。おそらく「自分へのご褒美」とか言って、バレンタインの時に1つは自分用に買っているのでしょう。  これも損です。  結局、購入金額の支出と将来医療費の支出だけが残り、結果としてマイナスであることは間違いないです。投資としては失敗です。  なぜ僕がこんなネガティブなことを言うかというと、チョコを貰えなかったことをひがんでいるからです。

この原稿を読んだら、通帳の残高を確認しよう

 資金が少なければ投資を行う意味はほとんどないです。  例えば利回り1%の収益を出すとしても、1億円あれば100万円ですが、1万円しかなければ100円にしかならないわけです。同じ労力なのに意味ないですね。  今すぐ通帳の残高確認をしましょう。  数千万円入っていたらばっちりです。何も言うことはありません。しかし、100万円に満たなかったら、まずは貯金を貯めましょう。  ちなみに「100万円以下ならNISA」と言う人がいますが、あれ、あんまり意味ないですからね。  投資できちんと勝てる人はお金の管理が正しくできる人なので、そういう方はNISAの非課税枠が小さすぎるのでほとんど意味をなさないのです。  逆に、良いオトナなのに投資できる資金が100万円以下の人は、マネー・マネジメントが全く出来ていないので、おそらく投資でも負けるでしょう。  投資で負けたら利益がないので、当然ながら非課税でNISAなんて、全く関係ありません。勝たないので非課税です。  投資資金は100万円以下=お金貯まらない=お金の勘定ができない=会計力がない=投資でも負ける=NISA意味なし……というサイクルから抜けるには、貯蓄です。 そして、会計力をつけるためにも、まずは家計簿でもやりましょう。

会計のセンスをつけよう

 投資で勝つために必要な能力は基礎的な会計の知識です。  基本的な会計知識が身につけば、投資の成功に必要な能力の9割は身についたといっても過言ではありません。  そしてその会計知識があれば、自分自身のマネー・マネジメントもより改善されるはずです。つまり、きちんと貯金ができるようになり、投資可能金額が増え、投資で稼ぎ、さらに投資資金が増える、という好循環です。  ちなみに投資に必要な会計力ですが、全然難しくないので、安心してください。  算数の能力としては、足し算・引き算が出来ればまあ良いでしょう。掛け算・割り算が出来れば言うことなし。小学校を4年生まで通っていたら十分です。国語の能力が若干必要です。漢字とひらがな・カタカナが読めたら良いですね。この記事の漢字の8割が読めれば十分です。  そして少々の常識があれば完璧です。  常識というのは、たとえば「自己資本が1300億円しかないのに負債が2兆円あって、5000億円赤字を出している会社はかなりヤバイんじゃないか」という感性です。平成25年のシャープのことですね。  例えて言うならば、100万円しかないのに1億円分の米ドルのFX取引をする人は○チガイではないかというような感性です。  その上で、投資力を身につけるには、以下の3点に留意しておいてください。 (1)とりあえず家計簿つけろ。自分の資産状況と収支を把握せよ。 (2)NISAとか関係ないくらいの投資資金を用意しろ。 (3)会計力をつけろ。  次回は投資で勝つための本質のお話をします。  それではまた。 (了)
【ジョン・ポール・絵馬 / じょん・ぽーる・えま】 独立系ヘッジファンドのファンドマネージャー。東京大学卒。外資系投資銀行で勤務後、独立系ヘッジファンドでファンドマネージャーに就任。運用責任者として日本市場に対する投資を行う。好きな音楽はビートルズ。 記事提供:ムーラン (http://www.mulan.tokyo/) 新世代のビジネス・ウーマンのためのニュースサイト。「政策決定の現場である霞が関、永田町の動向ウォッチ/新しいビジョンを持つ成長途上の企業群が求める政策ニーズを発掘できるような情報/女性目線に立った、司法や経済ニュース」など、教養やビジネスセンスを磨き、キャリアアップできるような情報を提供している ※本記事の関連記事も掲載中 【投資で稼ぐ力~男に依存しない生きる力を身につける】 http://www.mulan.tokyo/article/24/