年収300万円台からはじめる不動産投資テクニック

東京五輪決定、新駅発表などを機に、湾岸エリアを筆頭に東京の地価はますます上昇中。投資家はもちろんのこと、市井のサラリーマンも不動産市場に熱視線を送る昨今である。そこで今回は、“サラリーマン大家”に直撃。これから注目すべきメソッドを聞いてみた。

年収300万円台でも地方1棟買いなら爆速で資産形成が可能

 サラリーマンとしての年収は300万円台ながら、自身の住む山梨県内にマンションなどを4棟所有し、現在の年間家賃収入は約4000万円という板澤武夫氏。最初は投資するにも貯蓄がなかったため、ネットオークションで資金を貯めることからスタートした。 「ネットオークションで儲けが増えたのは、好きで知識もあった車やバイクの転売をはじめてから。中古車販売店で格安の『走行距離が長く年式が新しい車』『マニアが改造した車』などを転売することで、1台で20~30万円の利益もあげられるようになりました」  そして’05年、220万円の区分マンションをキャッシュで購入。その家賃収入とオークションでさらに資金を貯め、同年、ローンで2DK×12室の中古マンションを5000万円で取得。 「地方の物件は価格が安く、利回りが15~20%と高いものが多いのも魅力です。私は区分所有から始めましたが、レバレッジを効かせて短期間で利益を上げられるように、ローンで1棟買いしました。地方銀行などを利用すれば、物件価格の1割の頭金、場合によってはフルローンでも1棟買いは可能です」

土地勘のある地方で思い切って1棟買い!

 物件探しについては、「車社会のため『駅近』よりも『駐車場』ありを重視」など、地方ならではのコツがある。 「人気エリアの都市でも、その中でさらに人気・不人気エリアに分かれるので、土地勘がある場所の物件がベスト。また、購入後にトラブルがあった場合にすぐ足を運べるよう、自宅から片道1時間以内の物件が理想ですね」  1棟買いだからこそ注意すべき点も。 「建物全体の大規模修繕工事は約15年に1回は必要で、費用は数百万円かかる場合も。そのため前回の大規模修繕がいつだったかを必ず確認し、購入後すぐに必要な場合は『その分の値引きを』と交渉。長期所有を目指すなら、耐用年数は木造なら10年以上、それ以外は15年以上残っているものがいいでしょう」  なお、東京五輪に向けては「現在は静観」だが、大規模開発などの動きには注意も払う。 「たとえば山梨県ではリニア中央新幹線の計画があり、その駅の近隣では地価の変動が予測されます。各地方にそのような大規模開発は今後もあるはず。地価の動きなどを注視しつつ、確信が持てたら動くのもきっとアリでしょう」 <サラリーマン大家 成功の秘訣> ●ネットオークションで投資資金を確保 ●土地勘のある地方でマンション1棟買い ●大規模修繕工事の時期を必ず確認 【板澤武夫氏】 ’73年生まれ。山梨県在住のサラリーマン。本業の年収は300万円台。現在は4棟のマンションなどを所有、家賃収入は年約4000万円超。ブログは「大家で目指す!経済的自由」 ― サラリーマンが大家になって稼ぐ技術 ―