東京ドーム(9681)の本決算が注目されるわけ

決算発表は株価が大きく乱高下する相場の一大イベント。決算書をどう読み解き、投資に生かせばいいのだろうか? 2015年3月期の本決算が発表される4月までに、投資家が押さえておきたい裏読み術を専門家に聞いた。

本決算の発表時には来期の業績予想に注目

⇒【前編】本決算前に押さえておきたい[決算書]裏読みガイド  個人投資家の間では、決算発表時の暴騰や暴落を利用して儲ける「決算プレイ」という取引も流行しているとか。100万円を元手に株式投資で2億円の資産を築いたwww9945氏は「決算発表の日は新規投資よりも守りを意識した出口戦略に徹する」と語る。 「決算プレイがうまくいけば一日で大儲けすることも可能ですが、反射神経の勝負なので手を出しません。でも万一、保有株の中で期待外れのクソ決算が出ると暴落する恐れがあるので、持ち株の決算発表日時は必ずチェックします。証券会社の取引画面を開き、クリックひとつで損切りできるよう準備して待ちます」  決算の時期は企業によって異なるが、最も一般的である3月決算企業の場合、4月中旬から1年の本決算の発表シーズンを迎える。  そんなwww9945氏が今、注目している銘柄が、一足早く3月12日に発表される東京ドーム(9681)の本決算だ。 「最近急騰しているインバウンド(訪日外国人)関連銘柄の出遅れ組。もし東京五輪で野球が復活すれば会場になるなど、オリンピック関連銘柄であり、都心に広大な土地を持つ含み資産銘柄でもあります。PERは15倍程度と割安なので、いい決算が出たらぜひ仕込んでおきたいですね」  ちなみに、売上高や営業利益など過去の業績の推移をチェックするには、「株探」というサイトが便利だとすすめるが、もちろん四季報でも確認可能だ。  最後に、4月からの決算発表シーズンに向け、足立氏はこうアドバイスする。 「四半期決算とは異なり、本決算の発表時には相場を動かす機関投資家の関心は当期の確定値ではなく、来期の業績予想に移っています。当期の数字に惑わされないよう注意しましょう」  今から投資候補を吟味し絞り込んでおけば、新年度からの投資成績は盤石かも!?

決算書の注目ポイント

●収益力を見るROEに注目 最近特に重視されるようになったROE(自己資本利益率)は、当期純利益の額を自己資本で割って、100をかけて求める。収益力を測る指標で、機関投資家は8%以上を投資の目安にしているとされる。 ●PBRよりPERをチェック PER(株価収益率)は、株価を1株あたりの当期純利益(予想)で割ったもの。過去の確定値ではなく業績予想の数字を使うため、将来の株価の価値を判断する指標として目安になりやすいとされる。 ●市場予想との乖離が重要 株価は売上高や利益の額の良し悪しよりも、機関投資家の予想より上振れするか下振れするかで大きく動く。この予想値は個人にはわからないため、決算発表時に思いがけない値動きをしがちなので要注意。 ●ヨコ読みではなくタテ読み 業績は最新の数字だけでなく、最低でも過去3年程度の推移をチェックしよう。順調に上昇していて業績予想も上を示すなら買い、最新の数字がよくても下落基調だったり来期の業績予想が悪いなら様子見が無難だ。 【www9945氏】 個人投資家。2億超の資産を手にしたカリスマ個人投資家。著書に『年収300万円、掃除夫の僕が1億円貯めた方法』
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