スカイマークの民事再生はかつてない“航空機バブル”崩壊のきっかけに!?【後編】

国内LCCのパイオニアが民事再生を申請した。そのきっかけとなったのはエアバス社の超大型旅客機A380。6機注文していながら、キャンセルしたことで資金繰りが悪化したのだ……が、中東諸国の航空会社は桁違いの航空機を発注していた!バブル崩壊を予感させる航空機市場を、闇株新聞氏が追った。

スカイマークの民事再生はかつてない“航空機バブル”崩壊のきっかけに!?

(ブログ&有料メルマガ管理人「闇株新聞」氏) ⇒【前編】はコチラ  昨今の原油価格の下落は航空会社とすれば業績にプラスだが、何しろ原油輸出だけで外貨を稼ぐ産油国の国営航空会社なので、差し引きすれば大幅にマイナス要因である。  早晩これら国営航空会社の超拡大政策が行きづまり、スカイマークどころではない大量の航空機がキャンセルとなるかもしれない。あれだけ順調に見えたドバイの不動産開発事業が’09年秋にあっさりと頓挫したことを忘れてはならない。  そうなると世界の航空機市場は最大の買い手を失い、代替の買い手を見つけることがほとんど不可能になってしまう。  そうなると、その余波は現在の業績が絶好調の航空機メーカーにも及ぶことになる。たとえばエアバス社は’14年通年でA380・30機を含む過去最高の629機を引き渡し、’14年12月末現在の受注残高が航空史上最高の6386機(過去最高だった’14年の引き渡しの10倍!)、その金額が9193億ドル(108兆円!)にもなる。  これを「エアバス社は長期にわたって絶好調である」と考えるのか「いくらなんでも大丈夫か?」と考えるのかは、今後の世界の航空需要にかかっていることになるが、どう冷静に考えても世界の航空機市場は「典型的なバブル」である。  スカイマークの民事再生法申請は、バブル崩壊の「小さなきっかけ」となるような気がする。ちょうどリーマンショックの1年以上も前に欧州でパリバ銀行のモーゲージファンドが解約停止となり、金融危機の引き金をひいたように……。 【今週の数字】 エアバス社の’14年12月末時点の受注残 108兆円 エアバス社は昨年1年間で計629機を引き渡したが、受注残はなんとその10倍超の6386機。産油国の航空会社からの受注残が増えているのが気になるところ…… 【選者】「闇株新聞」氏 闇株新聞’10年にブログ「闇株新聞」(http://yamikabu.blog136.fc2.com/)を創刊。管理人は大手証券においてトレーディングや私募ファイナンスの斡旋、企業再生などに携わった経験を生かして記事を執筆。特に’11年10月の「オリンパス事件」や’12年3月の「AIJ投資顧問事件」で専門家もうなる詳細記事を書いて話題に。’12年から有料メルマガ「闇株新聞プレミアム」(月額2600円)を開始。現在、単行本『オリンパスの光と影』(仮題)を執筆中
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