あの「いらすとや」が毎日更新を終了。2012年からの毎月の更新量を調べたら凄かった

入手したデータで毎月の更新量を視覚化すると……

 入手したXMLファイルを、数10行ほどのプログラムを書いて集計したのが、以下のようになった。 _________1____2____3____4____5____6____7____8____9___10___11___12 2010 : __0, __0, __0, __0, __4, __0, __0, __0, __0, __0, __0, __0 2012 : _12, 107, 153, _95, _58, _43, _70, _20, _13, _62, 124, 272 2013 : 191, 186, 213, 286, 300, 270, 267, 281, 282, 301, 273, 308 2014 : 332, 254, 280, 276, 287, 276, 291, 283, 247, 278, 245, 260 2015 : 235, 215, 251, 243, 257, 236, 250, 252, 256, 275, 275, 281 2016 : 288, 299, 313, 303, 308, 307, 314, 311, 300, 313, 310, 327 2017 : 324, 274, 295, 281, 279, 265, 285, 280, 272, 286, 273, 284 2018 : 284, 247, 280, 270, 279, 272, 278, 279, 268, 281, 270, 279 2019 : 159, 147, 163, 171, 174, 171, 166, 164, 158, 183, 168, 166 2020 : 164, 158, 164, 165, 183, 176, 171, 171, 156, 164, 148, 150 2021 : 159, __0, __0, __0, __0, __0, __0, __0, __0, __0, __0, __0 いらすとや毎月の更新量 ちなみに、2012年更新分のページには、数十ページほど、2010年公開分の素材も入っている。おそらく、この時期にサイトをリニューアルしたのだと想像できる。  さて、データを見ていこう。更新数が急激に伸びているのは、2012年の12月からだ。その後、2014年の4月から安定的に多い更新数となっている。  ページ増加のピークは2つあり、2014年1月の332回/月、2016年12月の327回/月である。  2018年12月まで安定して270回程度の更新があり、2019年の1月ぐらいに大きく更新数が減る。そして、月あたり160回程度で安定して、2021年1月まで来ている。  2014年の4月から2018年12月までが、最も活発に更新をおこなっていた時期だ。そして、2019年に入り、更新頻度が大きく下がった。  毎日10点程度の更新を続けるのは、体力的にもかなり大変なのは想像がつく。この時期、コラボレーションも増えていたので、そちらに時間を割いていたというのもあるだろう。  こうした数字から、終盤の2年間、不定期更新にするタイミングを探っていたのではないかと推測できる。少なくとも、2019年の1月のタイミングで、負荷を減らそうとしたことが分かる。

世界を変えたいらすとや

 いらすとやのイラストは、街を歩いていても非常によく見る。文書などを作り、何か絵を添えたいと思ったときに、統一されたテイストで、あらゆる素材が揃っているいらすとやは、非常に重宝する。  いらすとやのイラストは、シンプルだがクオリティが高い。非常によく練られて作られている。グレースケールにしてみると、配慮がよく分かる。色の情報を削っても、そのまま内容が分かるようになっている。  また、「今後のサイトの更新について」のページに掲載されている「最初に公開したイラスト」は、隣り合う赤と緑があり、その片方が縞模様になっている。これは、色覚異常への配慮だと思われる。  近年では、日本だけでなく海外でも、いらすとやのイラストを見るという報告がネットに上がっている。  統一的な絵柄で森羅万象を網羅するというサイトは、今後同じ規模で出てくるかは分からない。世界でも希有な同サイトには、私もお世話になっている。いらすとやのイラストには時事ネタも多い。無理のない範囲で、末永く更新が続いてくれるとよいなと思っている。 <文/柳井政和>
やない まさかず。クロノス・クラウン合同会社の代表社員。ゲームやアプリの開発、プログラミング系技術書や記事、マンガの執筆をおこなう。2001年オンラインソフト大賞に入賞した『めもりーくりーなー』は、累計500万ダウンロード以上。2016年、第23回松本清張賞応募作『バックドア』が最終候補となり、改題した『裏切りのプログラム ハッカー探偵 鹿敷堂桂馬』にて文藝春秋から小説家デビュー。近著は新潮社『レトロゲームファクトリー』。2019年12月に Nintendo Switch で、個人で開発した『Little Bit War(リトルビットウォー)』を出した。2021年2月には、SBクリエイティブから『JavaScript[完全]入門』、4月にはエムディエヌコーポレーションから『プロフェッショナルWebプログラミング JavaScript』が出版された。
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