要領を得ない回答、厳重な質問統制……。それこそ「緊急事態」だった菅総理の年頭記者会見

年頭記者会見での菅義偉総理

筆者のYouTubeチャンネルより

突如持ち上がった、緊急事態宣言の再発令

 2021年1月4日、菅義偉総理は年頭記者会見を実施。昨年末までは一貫して緊急事態宣言の発令に慎重な姿勢を見せていたが、年明け後は一転して再発令の可能性が広く報道されたことから、質問の緊急事態宣言に集中した。しかし、司会を務めた山田真貴子 内閣広報官は質問を1人1問に制限した上、「再質問は控えるように」という方針を徹底したため、菅総理の回答がどれだけ質問と食い違っていても再質問は許されず、緊急事態宣言についての詳細は曖昧なままであった。  実際、質問が許された6名の記者の全質疑の要約を下表に整理したところ、緊急事態宣言について僅かながら方向性が見えてきた面があるものの、詳細(スケジュール感、一定の周知期間を設けるのか、経済への打撃を和らげる対策、等)はこの会見における菅総理の回答からは分からなかった。 summary そこで本記事では、この6名の記者の質問の内、緊急事態宣言の詳細を問うた3名の記者(1人目 テレビ東京記者、3人目 読売新聞記者、4人目 フリーランス江川紹子記者)の質疑をピックアップして、一字一句漏らさずにノーカットで信号機で直感的に視覚化していく。具体的には、信号機のように3色(はOK、は注意、はダメ)で直感的に視覚化する。(※なお、色表示は配信先では表示されないため、発言段落の後に( )で表記している。色で確認する場合は本体サイトでご確認ください) rule

「まともに回答していない」赤信号黄信号が6割

 3名の記者の質問に対する菅総理の回答を集計した結果、下記の円グラフのようになった。 reult<色別集計・結果> ●菅総理:赤信号24% 黄信号37% 青信号34% 灰色5% *小数点以下を四捨五入しているため、合計は必ずしも100%にはならない  青信号が3割強とそれなりに答えているように見える一方、赤信号と黄信号が6割以上を占めている。いったいどのような質疑だったのか詳しく見ていきたい。  また、実際の映像は筆者のYoutubeチャンネル「赤黄青で国会ウォッチ」で公開している動画「【緊急事態宣言発令の検討】2021年1月4日 菅総理 年頭記者会見」で視聴できる。
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場当たり的な緊急事態宣言。あやふやな菅総理の回答
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