NTTドコモ、iモード公式サイトを2021年11月30日に終了。約四半世紀の歴史を振り返る

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bee / PIXTA(ピクスタ)

NTTドコモ、iモード公式サイトを2021年11月30日に終了

 NTTドコモの、iモード公式サイトが、2021年11月30日に終了する。この終了により、マイメニューに登録していたコンテンツも利用できなくなるそうだ(NTTドコモ)。  iモードの公式サイトは、1999年2月にサービスをスタートした。そこから22年と9ヶ月。去年の2019年9月30日には、新規受付を終了している(ケータイ Watch)。2026年3月31日には、iモードサービス自体が終了する。着々と終了の作業を進めているという印象だ。  iPhoneの発売が2007年。Android端末の発売が2008年。それまでの期間、iモードはモバイル通信端末の王様のような存在だった。その歴史も、いよいよ終了が近付いている。ということで、当時のことを振り返ってみよう。

iモード登場当時

 iモードは1999年2月22日にサービスが始まった。当時、携帯電話でインターネットに繋がり、様々な情報にアクセスできる仕組みは、非常に先進的で画期的だった。  インターネットに繋がるといっても、現在のように自由にWebページが見られたわけではない。携帯電話向けに仕様に制約を設けた軽量の Compact HTML を利用していた。この工夫のおかげで、通信量を減らして、小さな画面で効率よく情報を得られるようになっていた。また、キー操作で快適にWebページを操作できるようになっていた。  こうした仕組みを実現するために、データの仕様を作ることや、対応したWebブラウザの開発などが必要だった。現在から比べると貧弱なマシンで、ストレスなく操作できるように作るのは大変だったと想像できる(J-STAGE)。  iモードはビジネスモデルもよかった。公式サイトに掲載された情報サービスを、100円前後で契約して利用する。ユーザーを獲得した会社は、月額課金のおかげで継続的な収益が見込めて、安定的にコンテンツを提供できた(東京新聞)。  スマートフォンで無料で何でも見られる現在からすると驚くかもしれない。しかし当時は、そもそもモバイルでインターネットができることが衝撃的だった。非常に便利ということで、有料でも多くの人がお金を払った。それぞれのサービスの値段が安いということもあり、解約忘れで課金を継続している人も多かった。ともかくデジタルコンテンツがお金になるという環境を生んだのは素晴らしかった。  発表当時のマスコミの食い付きはあまりよくなかったようだが、利用者には急速に受け入れられた。サービス開始から半年ほどの1999年8月には100万契約を突破。そこから1年後の2000年8月には1000万契約を突破している。そして、2001年末には3000万契約を突破して、2003年10月には4000万契約を突破した(NTTドコモ)。  iモードはインターネットの利用だけでなく急速に進化した。2001年には携帯電話でJavaアプリが実行できる iアプリ のサービスが始まった。2004年には、パケット定額制の パケ・ホーダイ も開始した。また、2005年には、おサイフケータイ の機能も登場する。この時期は、日本のモバイル文化が、世界の最先端を走っていた時期だろう(総務省)。  のちにガラパゴスと揶揄されることになるが、フライングで進みすぎたということでもあると思う。
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