安倍政権同様、親学・EM菌にも近しい菅政権閣僚たち

菅政権閣僚新宗教・スピリチュアル・疑似科学人脈 前回、菅内閣の安倍内閣とほぼ変わらない「カルト内閣」ぶりの全体像と、日本会議、神政連、統一教会、不二阿祖山太神宮について解説した。引き続き、閣僚などが関わりを持っている各団体について見ていきたい。  もちろん、政治家である以上、信仰に関係なく宗教団体などの会合に顔を出すこともあるだろうし、信仰がある場合についてはプライベートに関わる問題でありそれを非難する意図はない。ただ、国会議員等の身分や役職を引っさげてイベントに出席したり祝電や祝花を送れば団体側の権威付けに協力することになり、それはプライベートな信仰活動にとどまらなくなる。社会的に批判されている団体等との関わりであれば、なおさらだ。議員連盟での活動等、各分野に関する推進活動や、政治資金収支報告書に記載される金銭の授受も、プライベートではなく政治家の政治活動だ。政策等も含めて、国民の利害に影響を与えるものであり、政治家個人のプライバシーではない。

宗教合宿に偽装勧誘する霊友会

 霊友会と関わりがある閣僚は4人。副大臣と政務官にも各1人おり、計6人だ。 厚労相・田村憲久:2011年と2013年それぞれに、霊友会の政治部門「インナートリップ・イデオローグ・リサーチセンター」へ会費18万円を支払い。 環境相・小泉進次郎:霊友会創立祭2015に出席。 官房長官・加藤勝信:2016年、自民党岡山県第5選挙区支部が霊友会に会費1万2000円支払い。 経済再生担当相・西村康稔:2012年と2013年それぞれ、「インナートリップ・イデオローグ・リサーチセンター」に会費18万円を支払い。2014年、霊友会に会費1万6000円を支払い。2016年、霊友会に会費1万2000円支払い。 文部科学副大臣・田野瀬太道:2013年、「インナートリップ・イデオローグ・リサーチセンター」に会費19万5000円支払い。 防衛大臣政務官・大西宏幸:2013年、「インナートリップ・イデオローグ・リサーチセンター」に会費28万円を支払い。  霊友会も「カルト問題」の現場で取り沙汰されることはほぼない。しかし勧誘された人の証言から、典型的なカルト宗教の手法と共通する「偽装勧誘」を行っていることがわかっている。  霊友会は伊豆の山奥の研修施設で定期的に合宿を行う。お題目やお経を唱える完全な宗教合宿で、これに信者が知人などを誘ってくる。ところが、霊友会の宗教合宿であることを知らせないまま知人などを誘って連れてくるケースが複数確認された。すでに信者になっていた人も、勧誘された際には同様だったと語っており、この手法が長く用いられてきた可能性もある。

宗教団体の政治的欺瞞を内包する創価学会

 公明党所属の閣僚は国交相・赤羽一嘉1人。副大臣・政務官に各3人おり、菅内閣での役職者では計7人。安倍政権の4人から3人増えた。自公連立政権である以上、もともと内閣や自民党がまるごと創価学会と関わりを持っているとも言える。  創価学会は1951年(昭和26年)から2代会長・戸田城聖の指導化で強引な勧誘(折伏)を行うキャンペーン「折伏大行進」を展開。当時を知る元信者の証言によると、火事や不幸があった家を狙って「お題目を唱えないから不幸が起きた」などと勧誘したり、女性信者がスカーフをかぶって夕方に路上に立ち、仕事帰りの男性に「いいとこ行かない?」と声をかけて(売春を装い)日蓮正宗の寺に連れ込み入信させるなどということまで行われていたという。(参照:週刊新潮)  激しい折伏によって信者数を増やすと同時に、すっかり世間の嫌われ者になった。  3代会長・池田大作の時代に移ってからは、公明党による政治進出を果たし、批判的な出版物に対して田中角栄に依頼し出版を妨害しようとした「言論出版妨害事件」を起こす。少なくとも当時は、強引な折伏、批判者に対する攻撃性から見て、カルト問題の文脈での「カルト性」を有していた宗教団体だったと言える。  安倍政権による集団的自衛権関連での憲法解釈変更や安保法制が強い批判を浴びていた2015年。創価学会員の中から、創価学会・公明党のあり方を批判し野党寄りの立場を表明する造反組が現れた。本来の公明党は「平和の党」であり、現状では平和主義とヒューマニズムを掲げてきた池田大作の教えに反しているという主張だ。  野党支持者の中には、これを称賛する人もいる。れいわ新選組に至っては、2019年の参院選で造反組の現役創価学会員・野原善行氏(すでに離党)を擁立し、山本太郎代表が記者会見で「池田大作さんは平和主義者」などとヨイショした。  しかし歴史を見れば池田指導下での創価学会もまた、平和主義やヒューマニズムと矛盾する活動を展開してきた。歴史の改ざんだ。  確かに現在の公明党は、たとえ口先のものとはいえ池田の教えと矛盾する立ち回りで自民党にぶらさがっている。しかしそれを批判する信者たちは、池田や創価学会の歴史を改ざんし美化する。それに一部とはいえ野党や野党支持者が乗っかり選挙に利用する。  「創価学会」をめぐっては、もはや「連立を組む自民党はけしからん」だけでは片付かない状況になっているのかもしれない。
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トンデモ育児論の「親学」から
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