ヤル気を削ぐ上司、何を考えているかわからない部下。部署間の軋轢を生む原因とは

 筆者のもとには「上司の話が腑に落ちない」「最近の部下は指示に従わない」「何を考えているのかわからず、扱いにくい」「部門同士で話が噛み合わない」……このような相談が跡を絶たない。

上司と部下の話が噛み合わない

怒っているイメージ画像

photo via Pexels

 上司の側も部下が扱いづらいと思っており、部下の側も上司の言っていることがわからないと、双方向でコミュニケーションが進まない。上司と部下の関係だけではない部門同士でも円滑な対話ができていない。  こうした状況は、リモート時代になってさらに拍車がかかっている。面と向かって話せば、ここまでこじれることがないものを、対面での対話の機会が限られていて修復できていないし、修復に時間がかかるようになった。  どうやらその原因は、相手のモチベーションファクター(意欲を高める要素)を考慮できていないことにあることがわかった。相手のモチベーションファクターを自分と同じだと思ったり、相手が自分のモチベーションファクターに合わせるべきだと考えていたり、そもそも、相手のモチベーションファクターを誤解していたり、無視していたりしているケースがじつに多い。

モチベーションファクターのタイプわけ

 私はモチベーションファクターを「牽引志向」と「調和志向」の2つにわけて捉えている。肉食系草食系狩猟型農耕型というわけだ。1人で取り組むことを好む人は牽引志向が高い傾向がある。みんなで実施することが快適だと感じる人は調和志向が強いと言える。  牽引志向はさらに3つにわかれ、チャレンジすること、アイデアを創出すること、ステイタスを築くことのいずれが一番モチベーションを高めるかで、「目標達成型」「自律裁量型」「地位権限型」にわかれる。  調和志向はさらに3つにわかれ、チームワーク、リスク、バランスのいずれに一番モチベーションが刺激されるかで、「他者協調型」「安定保障型」「公私調和型」にわかれる。  このように2つの志向、6つの要素にモチベーションファクターをわけているのは、日本のビジネスパーソンのモチベーションファクターは、だいたいこの2志向、6要素に均等にわかれるからだ。
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鍵は相手に合った話法を繰り出せるか
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