8月末にベネズエラのマドゥロ大統領が収監させていた野党の議員ら110人を恩赦するという出来事があった。当初、誰がこの為に仲介し、その狙いが何んであるのかというのが不明とされていた。
ところが9月1日、その謎が解けた。トルコのチャヴシュオール外相がこの恩赦の仲介をしたと発表したのだ。
仲介の根拠となったのは野党のエンリケ・カプリレスとスタリン・ゴンサレスの二人がトルコの高官と交渉して、12月に予定されている総選挙に国際監視人として出席してもらうことを約束。選挙が公正に行われたということを国際的に披露するというのを恩赦の交換条件にしたというのだ。(参照:「
ABC」)
マドゥロがこの提案を飲んだのにも理由がある。マドゥロは国際的に信頼性を失っており、違法選挙になると評価されるのを回避したいという意向をもっていた。この二人の野党議員からの提案はマドゥロにとって好都合であったのだ。
ところが、野党のリーダーであるファン・グアイドーには寝耳に水という感じで、この二人がマドゥロと交渉していたことは全く知らされていなかったというのだ。しかも、グアイドーはこの選挙に参加するのを拒否している。だから、今回の二人の議員の行動にはレッドラインに足を踏み入れたとグアイドーは受け止めているという。
それに対してカプリレスは「相手が中国人、ロシア人、ヨーロッパ人であろうとベネズエラ国民を危機から救うためには誰とでも交渉する意向だ」と表明し、「今日、私が個人的にやったことで政治犯だとして収監させられていた110人を解放することができたことに我々は非常に満足している」と述べている。
更に、「私の唯一の関心はベネズエラ人を守り、ベネズエラに自由を取り戻すことである。国が変わるのを見るまで諦めない」と強調した。(参照:「
ABC」)