シニアの性事情。「日頃から性欲を感じる」男性は約半数に対し、女性は7%と大きなギャップ。その理由は?

シニア夫婦 株式会社TENGAのグループ会社であるTENGAヘルスケアは5月末、毎月「性」に関する情報をまとめて配信しているニュースレター「月刊TENGA」にて「エイジングと性」の実態調査結果を発表した。  65歳~92歳の男女200人に「日頃、性欲を感じることはあるか」と聞いたところ、男性の56.0%が「性欲がある」と答えた一方で、女性はわずか7.0%と男女の性欲には大きなギャップがあることが分かった。  この記事では調査リリースの内容に加え、シニア(※)の男女で性欲差が生じる理由や、シニアのリアルな「性」について株式会社TENGA広報の本井はるさんに伺った話も紹介する。(※この記事では、高齢者をシニアと表記する。)  調査は2018年12月12日~13日、25~92歳の男女600人を対象に実施。65歳以上の男女の回答をピックアップし、「エイジングと性」の調査リリースとしてまとめた。

閉経後に生じるデリケートゾーンの不調が性欲減退の一因になる

 シニア男女の性欲ギャップが発生する理由について本井さんは、「GSM(閉経後性器尿路症候群)という、閉経後に起こるデリケートゾーンの不快感が一つの要因ではないかと思われます」と話す。  「閉経の前後10年間を更年期と呼びますが、この時期は卵巣からの女性ホルモン分泌が少なくなり、膣の粘膜が薄くなります。すると膣が持つ自浄作用が衰え、外陰部や尿道を含めデリケートゾーン部分に異常が発生しやすい状態になります。こうした症状がGSMで、閉経後の女性の約半数に見られると言われています」  具体的には、かゆみ、おりもの、におい、乾燥、セックス痛などの症状が出現する。デリケートゾーンに不調を抱えていれば、性欲を感じにくくなるのは当然だ。

60代男性の性欲は、20歳の男性と比べて半減する

 男性の方が性欲を感じやすいとはいえ、65歳以上の男女の87.0%が「性欲の低下を感じている」と答えている。  20歳の時の性欲の強さを100とした場合、60代男性で50%程度、70代男性で30%程度にまで低下するという。60〜70代女性の場合、15~20%程度にまで落ち込む。  男性の場合、性欲減退の原因は、男性ホルモン「テストステロン」の減少が関わっているという。同ホルモンの減少が続くと、勃起障害や射精障害といった性機能障害のほか、筋肉量や骨密度の低下、うつや不眠等の男性更年期障害、認知力の低下も招く可能性がある。  そのため、調査リリースでは、「(テストステロンの分泌を増やすような食品を摂取するなど)性欲を高めることにつながる行動は性機能だけでなく、心身の不調の改善や予防ができる可能性があります。裏を返せば、性欲の低下を感じたときは、どこか体に不調がないか点検をする良い機会と言えるかもしれません」と、性欲減退をきっかけに健康を見つめ直そうとアドバイスしている。
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女性は年代が上がるにつれて「性行為は不要なもの」という回答が増加
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