約8割の家庭が「コロナ禍で生活が苦しくなった」と回答。支出増やストレスで「子どもに手を上げることが増えた」人も

家計が苦しい 経済的に苦しい家庭に対し食を通じた支援活動を行うこども宅食応援団は5月末、「新型コロナウイルスの影響に関するアンケート」の調査結果を発表した。  回答者の年収で最も多いのは「300万円未満」(85.5%)。世帯構成では「ひとり親世帯」(77.4%)が全体の約8割に上る。調査結果によると、約8割の世帯が「コロナ禍以前に比べて生活が苦しくなった」と答えており、より一層の支援が必要な状況が明らかとなっている。  調査は今年5月13日~25日の間に実施。京都、宮崎、長崎、熊本でこども宅食を利用している子育て世帯を対象に行い、1015世帯から回答を得た。

来月は家賃を払えないです。情けないです

 「コロナウイルスやその感染予防策(一斉休校など)が現在の生活に与えた影響」では、「支出が増えた(増える見込みになった)」(84.3%)が最も多く、続く「収入が減った(減る見込みになった)」(48.7%)を大きく上回った。コロナ禍による収入の低下よりも支出の増加が家計に影響を与えていることがわかる。  「支出が増えた(増える見込みになった)」と答えた人にどの程度増えたか(増える見込みか)を聞くと、「20~40%程度増加した」(37.1%)が最も多い。  仮に月20万円で家計をやりくりしている場合、ひと月あたり4~8万円の支出が増えることになる。中には「40〜60%程度増加した」(24.3%)という人もいた。  回答者からは、悲痛な声が寄せられている。 「生活費がそこをついて、今、給料日まで我慢の日々を送ってます」 「収入が減ったのに、毎日の食費は驚くほど増えて、現金がないのでクレジットで払い、手当てなどで払うという生活でしたが、来月は家賃も払えないと思います。情けないです。子どもを満足に食べさせられないし、光熱費も払えるかわかりません」 「家に子どもだけがいる時間が増え、ご飯等を用意して仕事にでかけるが、食費がかかりすぎて、どんどん食卓が貧相になってしまう。早く、仕事も学校も普通に戻ってもらいたいし、国の支援策も予想以上に遅いので困ります」

子どもに怒る回数が増え、笑顔で接することができなくなった

 コロナ禍による支出増や生活不安が強まれば、親の気持ちは落ち着かなくなる。「こどもとの関わり」について聞いたところ、「こどもに怒ったり、叱ったりすることが増えた」(49.7%)や「こどもといることにストレスや疲れを感じることが増えた」(44.2%)の回答が多かった。  中には「こどもに手を上げることが増えた」(8.8%)ケースもあり、子どもが親のストレスのはけ口になっていることがわかる。  回答者からは「子どもとの関係がうまく行かず、毎日がつらい」や「どこにもストレスを発散させることもできず、いつ爆発するかもわかりません」をはじめ、苦しい胸の内が明かされている。 「子どもたちに対して、怒る回数が増えて、笑顔で接することが少なくなってきた。仕事も休みになり収入も減って何をするにも我慢の生活」 「子どもとの時間を作りたくてもなかなか、時間が作れなかったり、仕事の疲れからか、つい、子どもに八つ当たりすることもあります」
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約8割が自治体の支援サービスを利用せず。「調べないとわからない」と不満
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