安らぎの空間が心身を蝕む。在宅のテレワークに潜む落とし穴
新型コロナウィルスによって、出社することなく自宅で仕事をする在宅ワーク(リモートワーク)を導入する会社が増えてきている。在宅ワークはメリットとデメリットの両方があるものの、特に都心においては、在宅ワークの導入のおかげで満員電車に乗ることなく、ストレスフリーで仕事に取りかかることができるため、心理的負担が少ない。また、職場であるような、周りから急に話しかけられることがないので、気が散ることが少なく仕事に集中できる。
主体的に働ける人にとっては、在宅ワークは歓迎すべき働き方だろう。しかし、その一方で、在宅ワークのやり方を間違えると心理的な幸福度を下げてしまうことにも繋がる。今回は、危険な在宅ワークの方法について解説しつつ、どう改善すればいいかについて解説を行なっていく。
◆危険な在宅ワーク①:ベットの上で仕事をする
ベッドの上で仕事をすることは、睡眠の質を下げる可能性が高い。都心1人暮らしだと、1Kや1Rの部屋に住んでいる人が多いかもしれない。そういう広さの部屋で、机の上で仕事をするならいいが、リラックスしたいと思ってベッドの上で仕事をしてしまう人もいるだろう。
ベッドの上で仕事をする習慣がついてしまうと、「ベッドの上=仕事を考える場所」と脳が認知するようになり、寝ようと思ってベッドに入ったとしても、脳が仕事に関する不安や悩み、課題、今後などについて無意識に考えてしまい、リラックスすることができなくなる。
例えば、梅干しを見ると無意識によだれが出てしまうように、習慣によって脳が学習して、条件反射的に脳が刺激(ベッドに入る)に対して反応(仕事のことを考える)してしまうのだ。
ベッドの上で仕事をするようになって、悪夢を見るようになっていたら、それは、脳がベッド=仕事をする場所と認知してしまって、安眠ができていない証拠である。
なので、リラックスして仕事がしたいからと言って、ベッドの上で仕事をするのはオススメしない。むしろ、ちゃんと仕事をする机を準備したり、せめて食事をするテーブルの上で仕事をする習慣を作って欲しい。
◆危険な在宅ワーク②:人間との繋がりが減る
在宅ワークによる影響だけでなく、コロナによる外出自粛によって友達と遊びに行ったり、飲みに行く機会が減ってしまっている。それによって、自宅で映画を見る、読書をするのような「一人○○」をする人が増えてきている。Netflixの契約者が急増しているという事実もある。
しかし、人とのコミュニケーションが減ることは、幸福度を下げてしまう可能性がある。
ハーバード大学の研究によると、人間が幸福になるには地位、名声、お金よりも、「よい人間関係」が重要ということがわかっている。今の世の中はネットサービスが充実しているので、一人でできることは充実しているが、人との繋がりを感じることができず、孤独を感じてしまう。
「一人○○」は行なっている間は一時的に孤独を埋めることができるが、逆に孤独を埋め続けるために、どんどん映画や読書をして孤独感を解消する根本的な問題解決ができない。
職場では当たり前にあった人の繋がりも、なくなってしまうと寂しいものである。なので、最近流行っているオンライン飲み会を試してみることをお勧めする。
最初は話すタイミングなど、慣れが必要かもしれないが、慣れてくると、友達との繋がりを感じることをできるし、孤独感を解消することができる。私の周りでは、ZOOMで友達とボードゲームやカードゲームをする人たちもいるし、最近では、大人数がバーチャル会場に集まって少人数でグループを作って話をし、気が向いたらグループを移動できる「オンラインパーティ」のようなものまで始まっている。
安らぎの空間が悪夢を生む
孤独感を埋めるはずが依存してしまう
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