コロナ休校の影響が、子どもの生活に占める割合はわずか8%。“イメージ”で語られる学校生活
新型コロナ感染予防のための休校が続き、「オンライン学習の充実を」「子どもの学習保障を」「生活リズムの維持を」と世の中がざわめき立っています。
これは「学校が子どもの生活の多くを占めている」という“イメージ”にもとづいてのことだと思います。しかし実は、学校が子どもの生活時間に占める割合は、世間が思っているよりもずっと少ないのです。
子どもが1年間のうち学校に行っている時間は
約200日×約7時間=1400時間
睡眠時間を10時間とすると、子どもが起きて活動している時間は、年間で
365日×(24時間-10時間)=5110時間
これらから割合を出すと、
1400÷5110=約27%
なんと子どもの1年間の全活動時間のうち、学校に行っている時間は約27%。ざっくり言って「学校は子どもの生活の3割」です。
学校で教えていることは、非常に多岐にわたっています。
読み書きそろばんの学習(国語、算数・数学)から、芸術的なこと(音楽、図画工作・美術、毛筆、学芸会・文化祭)、科学的なこと(理科・生活科)、社会的なこと(社会各科目、総合的な学習の時間)、身体の鍛錬(体育、運動会、マラソン大会、球技大会など)。
それから、食育、道徳、外国語など。さらには掃除、給食配膳、子ども同士の人間関係のスキル、時間を守る、挨拶するなど、基本的な生活習慣まで……。
これらを約27%(3割)の中に詰め込んでいたのかと思うと、そのパフォーマンスの高さに驚きです。ひるがえって考えると、これだけの役割を担ってきたから「学校が子どもの生活のメイン」というイメージができあがったのかもしれません。
では次に、今回の新型コロナウイルスによる休校について検証してみます。
休校は今のところ、3月初めから5月末までの約3か月=92日。
睡眠時間を10時間と仮定して、この間の子どもの全生活時間は
92×(24-10)=1288時間
そのうちもともとの休日が32日間。すると実際に休校になったのは、92-32=60日間。学校に行っている時間は1日平均約7時間ですから、この60日間で本来学校にいるはずだった時間は
60×7=420時間
するとこの3か月で、学校が休みになった影響を受けているのは、子どもの全生活時間の
420÷1288=約32%
これを、1年間の子どもの全生活時間に占める割合で考えると、
420÷5110=約8%
たった、約8%です。
もちろん就業時間にあたる時間帯ですから、仕事を持つ親には%(パーセント)の問題ではないかもしれません。しかし、イメージしていたよりもずっと少ないと思います。
子どもの年間全生活時間に占める学校の割合は約27%
学校のパフォーマンスの高さに今さらながら驚く
休校の影響が占める割合は子どもの生活のわずか8%
1
2
ハッシュタグ