「日本の現代食はヘルシーではない!」グローバル商社からオーガニック事業へ異例の転身を果たす男の思い 

オーガニック野菜イメージ

shige hattori / PIXTA(ピクスタ)

 ビジネスのグローバル化が急速に進んでいます。しかし、グローバルビジネスの日々の実態は、なかなか伝わってきません。今回は、研磨剤、切削工具の海外輸出、輸入販売商社を経営しグローバルビジネスを展開してきたt-iarumas T&A株式会社代表取締役・武田淳氏に、本連載「分解スキル反復演習が人生を変える」でお馴染みの山口博氏が迫ります。

あえて「谷」の時期に独立

山口博氏(左)と武田淳氏(右)

山口博氏(左)と武田淳氏(右)

山口博氏(以下、山口):「武田さんは商社を設立し、17年にわたってグローバルビジネスを展開されてきました。設立された背景や動機からお伺いできますか」 武田淳氏(以下、武田):「はい、会社設立の動機は、簡単に言えば『もっと自由がほしかった』からです。独立前の計測機器メーカーの海外営業部時代に個人経営の貿易商社社長にヘッドハントされ、その商社の新規事業であった切削工具・研磨材の事業を任されました。取締役としてそのまま勤続していてもよかったのですが、人生山あり谷ありで、『谷』の時期に『自由』を求め独立を決心しました」 山口:「『谷』の時代に起業するということには躊躇しませんでしたか」 武田:「そうですね~。独立するしかない状況に追い込まれていたので、躊躇する時間がなかったといったほうが正解かもしれません。当時マイホームを建てたばかりでしたし、厄年でもあり、懸念材料は多々有りましたが、自分の人生理念『愛と感謝と誠実をモットーに自由と挑戦を求め生きる』に基づいて決めました。また、パートナーが背中を押してくれたのも心強かったですね」

心を掴む迅速な対応

山口:「アジアを中心にグローバルにビジネス展開されてきましたが、各国でビジネス事情が異なるのではないでしょうか」 武田:「国が違えば考え方、商習慣も違います。特に華僑や華人などの中華系商人は、例外なく価格にシビアですね。1円でも安く仕入れるという事に物凄く執着してましたね。  インボイスの1円、2円の価格間違いに高い国際電話で指摘してくる社長がいて、内心そのほうがコスト高いんじゃないかって思ってました。その社長はいつも無理難題を頼んでくるのでよく喧嘩してましたね」 山口:「価格にシビアと言えましょうし、利に敏いとも言えますね。私が取引した中国の銀行やメディア企業は、取引先からの入金はできるだけ早く、取引先への支払はできるだけ遅くということを徹底していました。武田さんは、国によって異なる商習慣の違いをどのように克服されたのですか」 武田:「前述の通りよく喧嘩してましたが、私のやり方は徹底的に相手の無理難題に応える努力をしました。しかも間違いなく速攻で。そうすると相手から凄く信頼されるようになります。相手から『武田は間違いない』と思ってもらえればこっちの物です(笑)」 山口:「なるほど、迅速な対応は、相手の満足度を高めますね。さて、今後は、どのようにキャリアを構築される予定ですか」
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軸となる考えをビジネスでも突き詰める
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