半身でもカッコいい、けど四国では走らなかった0系新幹線<コロラド博士の鉄分補給>

新幹線0系21-141

四国鉄道文化館北館で展示されている新幹線0系21-141 2018/11/02撮影 牧田寛
四国内で唯一展示されている営業用新幹線車両。

四国鉄道文化館北館へ

 前回までに鉄道歴史パーク in SAIJOの南側、四国鉄道文化館南館と屋外展示のフリーゲージトレイン、特別公開のJR四国2700系特急型気動車乗車体験のご紹介をしました。  今回からは、西条駅を跨線橋で渡った対岸北側にある四国鉄道文化館北館十河信二記念館のご紹介となります。ただし、十河信二記念館の館内展示物は原本書籍、文書などのたいへんに貴重かつ光で傷みやすいもののため、館内照明の暗さもあって撮影をしていません。  たいへんに貴重な展示物ですので、実際に現物をご覧ください。  入館料は、四国鉄道文化館南館・北館合わせて当日出入り自由で大人300円(年間パスポート1000円)で、十河信二記念館は無料です。
四国鉄道文化館北館と十河信二記念館

西条駅敷地内南側からみた四国鉄道文化館北館(中央)と十河信二記念館(左)2019/11/23撮影 牧田寛

 西条駅の南側広場と北側駅前を結ぶ跨線橋「ぽっぽ橋」を渡ると伊予西条駅前広場に出ます。線路に向かって右側が西条駅、左側が鉄道歴史パークin SAIJOです。四国鉄道文化館北館と十河信二記念館は、2007年11月26日に開館しました。  2014年7月20日に四国鉄道文化館南館が開館するまでは、この北側の施設群だけで規模はかなり小さかったのですが、南館の開館によって展示施設、展示内容は、たいへんに充実したと言えます。
四国鉄道文化館北館と十河信二記念館。右手前はぽっぽ橋

四国鉄道文化館北館(奥)と十河信二記念館(中央)2018/11/02撮影 牧田寛
右手前のぽっぽ橋は、保護柵が高いために写真撮影には向かない

四国鉄道文化館北館 正面

四国鉄道文化館北館 正面2018/11/02撮影 牧田寛
胸像は十河信二氏の胸像。左側に観光交流センター。右端にある動輪は、C58-321中央動輪で質量は1.5トン

 建物はどれもよく手入れされており、木造部位の多い白い建物によくある剥げちょろけて黒ずみ、みすぼらしくなるようなことにはなっていません。維持にはかなりの手間とお金がかかっていると思います。  十河信二氏の胸像を左手に見て四国鉄道文化館北館に入館します。

2大主役の一角は、四国が望んでやまなかった0系新幹線電車

 館内は木張りのため、入り口でスリッパに履き替えて中に入ると正面に0系新幹線電車大窓型(1976年製造)電気式ディーゼル機関車DF50-1が鎮座しています。新幹線電車は21-141で、反対側(東京方)の先頭車22-141は、英国のヨーク国立鉄道博物館に完全な状態で展示されています。0系新幹線電車で海外に展示されているのは、この相方の22-141だけとのことです。  四国鉄道文化館北館に展示中の21-141(博多方先頭車)は、残念ながら前半分だけのカット展示です。クビだけのギロチン展示で無いだけマシですがちょっとかわいそうです。
展示中の新幹線0系21-141

展示中の新幹線0系21-141 2019/11/23撮影 牧田寛
博多方の先頭車でほぼ半分で切断されたカット展示
取材時に筆者は、知らなかったのだが前照灯は点灯するとのこと。但し、お鼻のドームまでは光らない模様
後ろはかつて多度津工場で動態保存されていたDF10-1

展示中の新幹線0系21-141後方

展示中の新幹線0系21-141 2018/11/02撮影 牧田寛
この新幹線車両は後乗り前降りです。カットボディの後ろを整形して連結面に似せています。でもやはりかわいそうです
余り広くない館内には、所狭しと展示物や持ち寄られたとっておきの鉄道模型が展示されています
くす玉は、撮影時の2018年に達成した来館者50万人を記念するものです

 後ろから乗車すると、中は古い大窓型の指定席普通車です。ただし、座席はJR西日本で廃車されたときのものですので更新されている可能性があります。この大窓型は、0系新幹線の初期型でとても懐かしいです。  客室は、この車両がJR西日本での営業運転を終えた2000年10月時点の状態とのことです。車体は全長26mを12mにカットされた状態で譲渡され、2000年12月から多度津工場で展示されていたとのことです。  広告、路線図の枠には、”COME ON SHIKOKU!!”「さぁ、次は四国の番だ。」という四国新幹線誘致運動のポスターが入っています。このポスターは、なかなかよい意匠です。しかし、肝心のフリーゲージトレイン計画が頓挫してしまい四国新幹線構想は根本的に見直しをしなければなりません。
0系新幹線大窓型21-141客室内

0系新幹線大窓型21-141客室内2018/11/02撮影 牧田寛
大窓型は、とても車窓からの眺めがよく、筆者のお気に入りです
山陽新幹線こだま運用(四両編成)だったので座席はウエストひかりの二列二列に更新されていないようです

四国新幹線ポスター

四国新幹線ポスター 2018/11/02 撮影/牧田寛
客室の広告枠に飾ってあるもので、たいへんに良い意匠

次のページ
運転台のスイッチ類がなんと動く!
1
2