日産スペイン閉鎖の危機!? 減産に次ぐ減産で従業員も不満爆発。道路閉鎖の大規模行動

バルセロナで行われた大規模な道路封鎖

バルセロナで行われた大規模な道路封鎖 (photo via Twitter / @UGTnissan

日産スペインが閉鎖する可能性が浮上

 いつも経営者側との協調を大事にする日産スペインの従業員がこれまで募っていた不満を一挙に爆発させた。  2月24日、日産スペインの従業員数千人がバルセロナの沿岸沿いの環状道路を遮断したのである。1週間前もスペイン政府がカタルーニャに派遣している代理本部の前でも彼らが置かれている状況を伝えるべく集まった。求めているのは会社存続の為のプランの明確化だ。(参照:「RTVE」)  年間20万台の生産設備をもっているにもかかわらず、現在その30%しか稼働しておらず、5月以降はそれが20%近くまで減少するからである。それが意味するものは、将来的に会社を存続させる意義の消滅である。

減産に次ぐ減産。20万台の生産能力の4分の1しか活かせず

 これを裏付けるかのように、1月末には日産スペインのバルセロナ工場でメルセデス・ベンツのピックアップ車Xクラスの生産を5月から廃止することを発表した。  Xクラスの昨年の生産台数は8000台。日産ナバラとルノーアラスカを加えたピックアップ3車種の昨年の生産台数は3万8000台であった。昨年の全生産台数は5万5000台だった。しかし、4月のイースター以後、電気自動車バネットバンMV200も生産台数が減少する。日毎の生産台数が102台から60台に減産することになっている。(参照:「El Espanol」)  ということで、今年の全生産台数は楽観的に見ても4万5000台から5万台のあたりにしかならない。20万台の生産設備を持っているにも拘わらずこの少量の生産台数だ。これまで早期退職や任意退職を募って従業員の削減を実施して対応して来た。しかし、経営者側にとって従業員の削減、削減で存続することに意義があるのかということである。
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英国工場以外は閉鎖する方針も
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