新型コロナウィルスが広まる中、パチンコ店はマスク着用に及び腰。その理由とは?

マスク

新型コロナウイルスの脅威とパチンコ店

 留まるところを知らない、新型コロナウイルスの脅威。中国の春節を見込んだ観光業が手痛い影響を受けていたり、飲食店でも入店制限をかけたりする店が出るなど、観光・サービス業において大きな影を落とし始めている。日本国内の感染者も日ごとに増え、ついに先日、神奈川県で死亡者も発生。有効な治療方法が無いままに、ウイルス被害は拡大し続けている。  そのような中、不特定多数の人たちが集うパチンコ店において、一つの議論が沸き上がっている。パチンコ店スタッフのマスク問題だ。パチンコ店のスタッフはマスクを付けるべきか否か。  多くの販売店では品切れ状態が続くほど、日本中の人々がウイルス感染の予防としてマスクを装着し始めるなか、パチンコ店ならではの事情があるようで--。

パチンコ店のスタッフがマスクを装着

 新型コロナウイルスの感染が広まるなか、或る大手パチンコチェーンが店内にお客さん向けの告知を掲示した。 「現在、新型コロナウイルスによる肺炎、およびインフルエンザが拡大しておりますため、当社では感染拡大防止のために、スタッフがマスクを着用している場合がございます。顔が見えづらく、ご不快に感じられるかと存じますが、何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。また、ご気分がすぐれない場合には、スタッフへ遠慮なくお声がけくださいませ」  このような掲示内容がSNSを通じ拡散されると、パチンコ店関係者と思しき人たちから様々な意見が投げかけられた。 「当店でもマスク着用を始めています」 「マスク着用かぁ。ウチでは無理だろうなぁ」  遊技機の設置台数が1000台を超える大型店には、一日に数千人の客が来店する場合もある。その不特定多数の人たちがパチンコ台のハンドルを握り、パチスロのレバーを叩く。今回の新型コロナウイルスに限った話では無く、インフルエンザや風邪など、病気が感染しやすい状況であることは間違いない。  パチンコ店側でも常日頃からそのような感染症に対する様々な対策を取っており、出入り口にアルコール消毒剤を設置するのは勿論のこと、お客さんが遊技終了した遊技台をアルコール清掃していたり、ウイルス除去力の高い空気清浄機の導入をしたり、加湿器を稼働させたりと、ホール内環境整備の徹底を図っていたりもする。  しかし、ことマスクの装着に関しては、パチンコ店は常に及び腰であった。
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接客業としてのパチンコ店と、マスク着用のジレンマ
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