【不動産研究】「RC・鉄骨・木造」どれがお得?

不動産投資は何かとわからないことが多いもの。そこで物件選びの基本から融資、実際の投資先に至るまで、選択テーマを設定。どっちを選ぶのが得なのか、識者や現役投資家に話を聞いた。

融資に難ありだが、取得コストや経費の安い木造が望ましい

不動産投資 建物には構造上の違いがあり、大きくはRC(鉄筋コンクリート造)、鉄骨造、木造に分かれる。この構造上の違いにより、それぞれ法律で定められている耐用年数も異なる。 「融資の観点からいえば、有利なのは耐用年数が47年ともっとも長いRCです。築10年なら理論的には融資期間は37年とれる。長期のローンが組めて、キャッシュフローを得られやすいんです」  とは、不動産融資アドバイザーの藤巻聡氏。木造の耐用年数は22年と短いため、融資では不利というわけだ。  ただし、コスト面を考えると見方は180度変わってくる。 「RCは大規模かつコンクリート造なので、取得コストがもっとも高くなります。維持コストが高いのも難点。エレベーターなど各種設備を管理する経費がかさみ、利回りを圧迫します。木造なら取得コストも維持コストも断トツで安い。鉄骨はその中間です」  とサラリーマン大家の森井雄一氏。さらに不動産投資コンサルタントの午堂登紀雄氏が続ける。 「木造は取り壊しコストが安くすむのも利点。将来、建て替えをしたり、更地にして売ることも視野に入れられます」  総合的に見ると、融資の壁をクリアできれば、木造を選ぶのが賢いだろう。 ◆RC 【耐用年数】47年 【取得コスト】高 【ランニングコスト】高 【建物解体費用】高 ◆鉄骨 【耐用年数】34年 【取得コスト】中 【ランニングコスト】中 【建物解体費用】中 ◆木造 【耐用年数】22年 【取得コスト】低 【ランニングコスト】低 【建物解体費用】低 【藤巻 聡氏】 不動産融資アドバイザー。地方銀行に17年間勤め、多数の融資案件を担当。その実績を生かし、個人のアパート投資をサポート。融資実績は16億円以上。「楽待」サイトで連載中 【森井雄一氏】 30代サラリーマン大家。2013年9月に本格的に不動産投資を開始。ハイスピードで物件を取得し、1年でキャッシュフローが月100万円突破。現在、アパート9棟72室を運営 【午堂登紀雄氏】 不動産投資コンサルタント。プレミアム・インベストメント&パートナーズ代表。自身でも不動産投資を行い、国内・海外に複数の物件を所有。不動産資産は約5億円。著書多数 ― 不動産投資「どっちがお得?」【2】 ―