12月17日、法政大学の上西充子教授が代表を務めている国会パブリックビューイング(以下、国会PV。Twitter IDは
@kokkaiPV)が、新宿駅西口にて国会パブリックビューイングとライブトークを行った。
「桜を見る会」への招待状をめぐる国会質疑を見たあとで、国会質疑と並行して行われてきた「野党合同ヒアリング」の位置づけと意味を、ゲストである立憲民主党の石垣のりこ議員とライブトークで考えるという2本立てで行われた同イベントは、師走の新宿駅で足を止めて眺める人も出た。
国会PVの上映で流されたのは、「桜を見る会」に絡んだ2つの質疑。
1つ目は「桜を見る会」問題の発端となった、11月8日参議院予算委員会における共産党の田村智子議員の鋭い質疑。(文字起こしは
上西教授のnote参照)
何を聞いても「お答えを控えさせていただきます」の一点張りで逃げを打ち回答拒否。しかも、安倍首相しか答えられない質問にも関わらず内閣府大臣官房がしゃしゃり出て、それを指名して答えさせる予算委員長という「茶番劇」には、師走の街を行き交う人々も足を止める人さえ出るほど。
さらに衝撃的だったのは、もう一つの国会PVの動画。「桜を見る会」に被害者7000人ともいわれるマルチ商法「ジャパンライフ」の会長が招待されており、そのことを宣伝材料に使ったことでより一層被害が拡大した疑いが濃厚なのだが、その招待枠が「首相枠」だったのではないかとして追及されている件である。
この問題については、この「桜を見る会」疑惑だけでなく、ジャパンライフへの処分が遅れた原因に「政治的な介入」があったのではないかとされているのだ。そして、その裏付けとなる行政処分を検討していた消費者庁の14年当時の内部文書に、政治的な背景の存在を示す「政治的な余波懸念」という一文があった*ことが発覚したのである。4日の参議院地方・消費者特別委員会における共産党の大門実紀史議員の質問はその件について消費者庁の担当者などを追及しているものだ。
〈*
ジャパンライフ疑惑 文書に「政治的背景による余波懸念」|毎日新聞〉
多くの国民が被害に巻き込まれた事案にも関わらず、消費者庁は誰を守りたいのかという大門氏の質問に、これまた「回答は差し控えたい」の一点張り。さらに、大門議員から、この内部文書流出について、消費者庁の内部では、公益通報制度の担当省庁にも関わらず、内部告発の犯人探しをしているとの言葉が出てくると、普段は新聞やテレビで短くまとめられたニュースでしか国会審議に触れないかもしれない足を止めて画面を眺める人も、思わず溜息を漏らしていた。
ちなみに、この「回答を差し控える」という、もはや安倍政権の伝家の宝刀のようになったふざけた言葉だが、毎日新聞が面白い調査をし、報じている。
12月17日配信の記事によれば、安倍政権による「お答え控える」は、安倍首相が事あるごとに繰り返す「悪夢の民主党政権」時代の4倍(民主党時代の2012年は105回→安倍政権時代の2019年は420回)にもなったとしている。
国民の知る権利はもとより、自身に突きつけられた疑惑にすら何も回答せず、疑惑を払拭する材料も一切出さず逃げの一手の答弁を繰り返す。民主主義にとって「悪夢」なのはどちらか、一目瞭然だ。