タイでは珍しい地震。発生するとみんな建物の外に一目散で逃げる理由とは?
11月21日早朝、タイの首都バンコクに在住する複数の日本人からTwitterやFacebookなどのSNSで似たような投稿が一斉にあった。
「え? 地震?」
「なんか揺れている気がする」
この日、午前6時50分(日本時間同日午前8時50分)にタイと隣国のラオス国境付近を震源とする地震が発生したのだ。タイのメディアによれば、タイ気象局の発表ではタイ北部とラオス国境から北東に約20キロが震源で、マグニチュードM6.4、震源の深さは約4キロ。また、同じくメディアで取り上げられていた米地質研究所(USGS)の発表ではM6.1、震源の深さは10キロだった。
タイ気象局はこの地震によりタイ北部を中心に国内9県で揺れが感じられ、同日午前8時17分(タイ時間)までに周辺地域でM3.3~4.8の余震が8回観測されたという。この地震で北部の一部では建物にひび割れなどが発生したとされるが、死傷者はなかったようだ。
余震を含めて、これらのいずれかの揺れが震源からおそよ700キロ離れたバンコクでも感じられ、在住日本人の投稿に繋がったというわけだ。
21日の震源がこれだけ離れているにも関わらず揺れを感じたことは、タイ在住の筆者からすれば驚くことではない。というのは、2008年5月12日に中国四川省で発生した「四川大地震」の際、四川省からバンコクは約1800キロも離れていたが、筆者も揺れを感じたからだ。
タイは地震のない国と思われているが、ときどきタイ北部を震源とする地震、あるいは山岳地帯がタイ北部から連なるミャンマーやラオス領内を震源とする地震が発生し、タイ国内が揺れることはある。ただ、それは稀なことであるし、建物が倒壊するほどの大地震は起こることはほとんどないと言っていいだろう。
しかし、これまでもバンコクでは遠く離れた場所を震源とする地震の影響で、特に高層ビルが揺れることは数年に一度という頻度で起こっている。そんなとき、タイ人の多くはすぐに建物から避難する。
というのも、タイは基本的に地震がないことが前提のため、日本ほどの耐震性が建物にはないからだ。高層ビルはさすがに鉄筋の柱を使うが、ただ組み上げただけのような家屋もいまだに多いし、高層ビルの柱もあまり太くない。壁に至っては高層ビルでもレンガを積んでいるだけのところも少なくないので、日本人がタイの建築現場を見てしまうと不安を感じるほどである。
ラオス国境付近で地震が発生。700km離れたバンコクでも揺れた
タイで地震が起きるとみんな建物の外に出る理由
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