NHKから国民を守る党、立花党首の動画を全て視聴してみた<N国徹底解剖・Part1>

動画を視聴し続けたら眠れなくなった

NHKから国民を守る党 ここ最近ニュースを賑わせている「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首。  YouTubeでの対談動画における「あほみたいに子どもを産む民族はとりあえず虐殺しよう、みたいな」といった発言や、同党に所属していた議員に対する脅迫容疑で書類送検など話題には事欠かない。  過激な発言や炎上商法と呼ばれる手法に多くの批判が集まる一方、「N国がどのような政党なのか?」や「立花氏がどのような人物なのか?」などを知る人は少ない。そこで、立花氏やN国を分析するために、立花氏のYouTubeチャンネルの動画を、全て視聴することにした。  氏のYouTubeチャンネルには50.3万人の登録者がおり、1406本の動画がアップロードされている。2019年8月のYouTubeの広告収入は、約1247万円だったと動画内(2019/9/24)で公表している。  立花氏は毎回、動画の冒頭と末尾で「NHKをぶっ壊す!」という決めセリフを言うのがお決まりだ。筆者は動画視聴が100本目を超えたくらいから、「NHKをぶっ壊す!」というフレーズが頭の中から離れなくなり、眠れなくなった。 「NHKをぶっ壊す!」が頭から離れず眠れない→眠れないため立花氏の動画を見る→「NHKをぶっ壊す!」が頭に残る→「NHKをぶっ壊す!」が頭から離れず眠れない→再び動画を見るというN国スパイラルに陥った。そんな拷問のような日々の中で、見えてきたN国像について分析していく。

そもそも「NHKから国民を守る党」とは?

 元NHK職員だった立花氏が2013年に立ち上げた政党。YouTubeなどを駆使し、主にインターネット上で支持を広げ、今年4月の統一地方選では、26人の区議や市議が誕生。さらに7月の参院選で立花氏が当選し、比例代表で2%以上の得票を集め政党要件を満たす政党になった。その後、北方領土について「戦争しないとどうしようもなくないですか」発言で、日本維新の会を除名された丸山穂高衆議院議員が入党し、衆参に1人づつN国党の国会議員が在籍している。  しかし、今月8日に立花氏が記者会見を開き、参院埼玉選挙区補欠選挙への立候補を表明した。10日に補選の届け出が締め切られ、公選法の規定により立花氏は参議院議員を自動失職した。そして、今年7月の参院選挙で、N国比例名簿で次点だった浜田聡氏が、繰り上げ当選となる見通しだ。もし埼玉での補選に立花氏が勝利すれば、N国党は衆議院で1議席、参議院で2議席を得ることになる。
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NHKスクランブル化以外の知られざる政策
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