「誘致白紙」はいつからいつまで言っていた? 横浜市長カジノ答弁、その変遷を議事録から辿る

林文子横浜市長

カジノ誘致について会見する林文子横浜市長。報道陣から追及を受けた会見後に、資料を投げ捨てている動画がSNSで拡散した。
横浜市市長記者会見インターネット中継より

「カジノ白紙」と言って当選し、民意を踏みにじった横浜市の林文子市長

 2017年7月30日に実施された横浜市長選挙。現職の林文子市長はカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致は「白紙」と強調して再選を果たした。しかし、2019年8月22日、林市長は突如としてカジノを含むIRの誘致を正式に表明。パブリックコメントではカジノに反対する意見が94%を占めていたが、横浜市民の民意は完全に踏みにじられた。  そこで、本記事では横浜カジノ誘致の賛否に関する林市長の主な答弁の変遷を横浜市議会の会議録から明らかにする。 (*「カジノ誘致に対する民意の問い方」および「候補地」についての林市長の変遷は筆者のnote「横浜カジノ誘致に関する林市長の全答弁」をご参照ください) 表1林市長の発言の変遷。カジノ誘致の賛否 【表拡大】⇒表1・林市長の発言の変遷。カジノ誘致の賛否  表1は、横浜市議会におけるカジノ誘致の賛否に関する林市長の主な答弁を時系列で整理している。誘致に積極的と判断できる答弁は赤字、誘致に消極的と受け取れる答弁は青字で示した。時期を3つに分けて、答弁の内容を確かめていきたい。

露骨にカジノ誘致を公言していた2012年~2015年前半

カジノにつきましては、経済効果や税収効果などが大いに期待できますし、また、国際的な観光・MICE都市として活性化の重要なメニューであると考えています。」 (2012/6/13 第2回定例会) 「カジノを含むIRの積極的な導入についてですが、世界中の人々を引きつける魅力的な横浜を実現するためには、これまでにない大胆な手法も考える必要があります。IRについては有望なメニューの一つとして捉え、多方面から検討してまいります。」(2013/12/6 第4回定例会) 「全国では、東京都や大阪府、沖縄県などが既に誘致に向けた動きを始めています。こうした動きも踏まえ、国内外からの誘客や積極的な民間投資を呼び込むとともに、都心臨海部の再生の起爆剤ともなり得るIR、統合型リゾートという手法を検討する調査費を計上いたしました。」(2014/2/21 第1回定例会) 「大人の施設というようなものをつくっていきたいということもございますので、いわゆる海外からいらっしゃる方にとって、そうした統合型のリゾートの中にはやはりカジノが必要であるというふうに考えています。」(2014/3/20 予算第一特別委員会) 「やはり本当に横浜市にやってきたいものの一つの中でこのIRというのは大変有効な話だと思います。」(2014/9/26 決算第一特別委員会) 「グローバルMICE戦略都市としてより一層進化していくためには、IRの導入は有効な手法の一つだと私は考えておりまして、横浜の持つポテンシャルを引き出して、強みを生かして、都心臨海部を再生していくことについて大きく寄与する一つであると思います。」(2014/12/16 基本計画特別委員会) 「IRは、都心臨海部を機能強化していくことや、観光・MICE都市を拡充していくためにも、有効な手法の一つと考えていますので、現在、IRについて調査検討をしております。」(2015/2/24 第1回定例会) 「横浜市が夜景がきれいだからといって、何回、人が来てくれるかという問題があります。ですから、私は非常に心休まる、心豊かな、わくわくする一体型IR、施設をつくりたいということで、その中にカジノというのがあるのです」(2015/3/18 予算第一特別委員会) 「横浜の特性や魅力を最大限に生かした横浜らしいIRを実現することで、海外からの集客は十分に可能だと考えております。」(2015/5/21 第2回定例会)  この時期は一貫して、カジノ誘致に積極的な内容を答弁している。誰が読んでも「カジノを誘致したい」という林市長の気持ちが露骨にあらわれていると感じるだろう。
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「白紙」はいつから始まり、いつ撤回されたのか?
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