工学的思考がビジネススキルを向上させる! キャリアデザインのカギを学生に直撃

「ビジネススキルの上達や浸透には時間がかかる」と思われている。「経験を積み重ねないとスキルは高まらない」という定説もある。しかし、ビジネススキルを極めて短い時間で高いレベルで修得した学生がいるのをご存知だろうか?

横浜国立大学大学院理工学府博士課程前期1年の大塚直斗氏(左)とモチベーションファクター株式会社代表取締役社長の山口博氏(右)

 今回はその本人、横浜国立大学大学院の大塚直斗氏に、本連載「分解スキル反復演習が人生を変える」でお馴染みの山口博氏が迫ります。

スキル向上のカギは見様見真似

山口博氏(以下、山口):「大塚さんには、私が横浜国立大学大学院で実施している『グローバルスタンダードの次世代ビジネススキル』講座を履修いただきましたね。すばらしいスキルを発揮し、演習をリードしてくださいました」 大塚直斗氏(以下、大塚):「『話したくなった人から話して下さい』という、とても印象的な進め方でした。発言を強制せず、順番を決めることもせず、受講者の主体性を最大限に引き出していただきました。理論を覚えるのではなく、演習で実践することでスキルの有用性を肌で感じながら、一分一秒と自分の成長を感じることができました」

先輩のプレゼンを意識してスキルを取り込んだ

大塚直斗氏

山口:「とても印象的だったのは、大塚さんが初日の第一声から、『アイコンタクト』『一人に対してワンセンテンス』『理解を促す間』など、高いレベルでスキル発揮されていたことです。私の書籍を読んであらかじめ訓練されてきたのかと思いましたが、そうではなかったのですね」 大塚:「もしかしたら、研究室の先輩の影響かもしれません。私はプレゼンテーションが好きで、学部時代から聞き手を惹きつける発表スキルを磨いてきました。そんななか、とてもわかりやすく、面白く、見入ってしまうほどの発表に出会ったのです。本演習の過去の履修者である、研究室の先輩の発表でした。優秀な先輩を意識するうちに、自然とスキルが身体に染みついていたのかもしれません」 山口:「先輩がスキル発揮していた様子をみて、どのように身につけられたのですか」 大塚:「優れた部分を見様見真似で取り込んでいました。というより、それしか方法はなかったと思います。もちろん、当時は先輩の能力が『スキル』としてパーツ分解され、言語化されているという認識はなかったので。プログラムを受けたあとでしたら、もっと効率よく吸収できたに違いありません」
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アウトプットすることが重要
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