リスクヘッジしながらスワップの二重取りも可能!? マイナー通貨の円キャリー・トレード戦略とは?

 円キャリートレードは、円を売って金利の高い通貨を買う取引の総称だ。日本の長期金利がマイナス圏を推移している今こそ有効といえる。

ポーランドズロチでも円キャリーが可能!?

似た値動きのズロチ&ユーロ

 円キャリートレードは、実は超マイナー通貨でも有効だ。ブログ「為替研究所」を運営するトレーダーのYuki氏は、ポーランドズロチで着実にスワップを稼いでいるのだ。それも、低リスクで。 「ポーランドズロチ/円の買いだけでは、大きな含み損を抱えてしまうリスクがある。マイナー通貨は一方向に動きやすいので。そこで、『ヘッジ』の考え方を取り入れてみたんです。ズロチと同じような値動きを見せる通貨ペアの売りポジションを持てば、ズロチ急落時のリスクを抑制できる」

ズロチのスワップの2重取りが可能

 Yuki氏がヘッジ用に保有しているのはユーロ/円の売りポジション。実は、ECB(欧州中央銀行)はゼロ金利政策を維持しているため、ユーロ/円の売りでも、ごくごくわずかだがスワップポイントがもらえる。ポーランドの政策金利も1.5%と決して高くはないが、ズロチのスワップと2重取りできてしまうのだ。実際、ユーロ/円を1万通貨売った場合には、1日あたり10円前後のスワップがもらえる。  なお、ユーロ/ズロチは4~4.5ズロチで推移しているため、ユーロ売りに対して4~4.5倍のズロチ買いポジションを保有すれば、為替の変動リスクをほぼゼロに近づけることも可能。つまり、レバをかけてズロチ/円買いとユーロ/円売りポジションを保有し続けることも可能に!  実際、Yuki氏はレバ10倍で運用し、このズロチ&ユーロ運用だけで年間10%以上のリターンを得ている。ズロチとユーロの連動性が崩れない限り有効な投資法をぜひ試してもらいたい! 取材・文/高城泰(ミドルマン) 図版/ウエイド ― FXは円キャリートレードで楽々稼げ! ―