話にキレがある人は何が違う? 秘訣は会話の冒頭にあった
世の中には話にキレのある人と、ない人がいる。話にキレのある人は、端的に話ができて、聞き手を飽きさせない。一方、話にキレのない人はダラダラと話が行きつ戻りつしてしまい、聞き手をいら立たせてしまう。
話のキレのない人に自分の話法をビデオで自撮りしてもらい、それを観た感想を聞くと、「丁寧に話そうと思うばかり、話を次の展開に持っていけなかった」「聞き手が関心なさそうなそぶりを見せたので、一生懸命話そうと思っているうちに、話が袋小路に入ってしまった」といったことを言う人が多い。
丁寧に話をすることも、一生懸命話をすることも、それ自体は悪いことではない。しかし、そのことを意識していると、話が長くなり、細部に至るようになり、構成がわかりにくくなり、ひいては聞き手をいら立たせてしまい、聞き手の関心度、集中度が低下してしまう。
また、聞き手が関心を示さなかったり、いら立ったりしてしまったのは、「聞き手の気が短いからだ」「聞き手が自分勝手だからだ」と聞き手のせいにしてしまうということもある。しかし、実は話し手の話し方に問題がある場合が多いのだ。
そもそも、どんなに魅力的な話でも、時間の経過とともに聞き手の関心度、集中度は下がることが当たり前だ。だから、聞き手が関心度、集中度を低下させたそぶりを見せたとしても慌てずに、当たり前のことだと思って対処することがお勧めだ。
にもかかわらず、話にキレのない人は慌てて、そこでさらに力が入って細々と一生懸命話してしまい、聞き手の関心度、集中度の下降曲線をいっそう低下させてしまう。
そうならないためには、話の冒頭から、できるだけ短いフレーズで語れる訓練を日ごろからしておけばよい。一対一の対話でも、一対多数の会議やプレゼンテーションでも、話の冒頭に下記の「BIGPR」を伝えることで、聞き手の関心度、集中度のスタートレベルを高めることができる。
B:Background=背景
I:Introduction=自己紹介
G:Goal=目的
P:Period=時間配分
R:Role=相手に期待する役割
話にキレがあると思われている人は、BIGPRを30秒程度で簡潔に語ることできている人だということが、筆者の20年来の演習結果からわかっている。
逆にその面談や会議を実施するに至った背景を長々と話してしまうと、せっかく話の冒頭から聞き手の関心度、集中度を高めるために実施しているBIGRPの効果が発揮されずに、むしろ聞き手のいら立ちを増幅させてしまう。
目的をダラダラと話すと、そのまま本論の話に入ってしまったり、関心度、集中度を低下させるトレンドに入ってしまうこともある。それほど簡潔に話すことは、聞き手の関心度、集中度を高止まりさせるために重要なのだ。
丁寧に話そうとして聞き手をいら立たせてしまう
「BIGPR」を簡潔に話す
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