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Adobeの「AIR」と「Flash」を覚えていますか?
米Adobe Systemsが、「Adobe AIR」のサポートと機能開発を、米ハーマンに移管すると発表した(参照:
窓の杜)。ハーマンはオーディオ機器などを製造、販売する会社で、2017年にサムスン電子が80億米ドルで買収して完全子会社化している(参照:
Wikipedia)。
「Adobe AIR」は、「Adobe Flash」をパソコンやスマートフォンのアプリケーションとして動かすものだ。「Adobe AIR」を使えば、様々な環境で動くアプリケーションを開発することができる(参照:
Adobe AIR – Wikipedia、
Adobe Flash – Wikipedia)。
私も過去に「Adobe AIR」でソフトを作った経験がある。ただ「Adobe Flash」が縮小を続けている現在、その環境にどれほどの価値があるのかは分からない。
Adobeは2017年に「Flashの開発と提供を2020年で終了する」と発表している。今回「Adobe AIR」の移管を受けたハーマンは、アプリケーションを「Adobe Flash」からHTML5に移行するコンサルティングや移行サポートもおこなっている。
「Adobe Flash」を終了することを決めたAdobeと、移行ビジネスを手掛けるハーマンにとって、都合のよい事業移管だったのだろう(参照:
HARMAN)。
20代前半より若い人は知らないだろうが、日本のインターネットでは「FLASH黄金時代」と呼ばれた時期があった。1998年から2002年頃に始まり、2005年から2007年頃に終焉した(参照:
ニコニコ大百科)。
YouTubeの設立は2005年。ニコニコ動画の設立が2006年。それより前に「Adobe Flash」を利用した動画がネットに溢れていた。多くの人は、こうした動画を通して「Adobe Flash」に触れていた。
また、Flashゲームと呼ばれる「Adobe Flash」を利用したゲームも多く作られた。初期のソーシャルゲームは、携帯電話向けの「Adobe Flash Lite」で開発されているケースも多く見られた。
OSを問わずに、Webブラウザ上でアプリケーションを構築できる「Adobe Flash」は、多くの企業サイトでも利用されていた。
さて、その「Adobe Flash」だが、元々Adobeのものではない。1996年に、アメリカのフューチャーウェーブ・ソフトウェアが開発した。この技術を、同年にマクロメディアが会社ごと買収。2005年に、今度はAdobeがマクロメディアを34億ドルで買収して、2007年に「Macromedia Flash」だった名前を「Adobe Flash」に改名した(参照:
Wikipedia)。
当時Adobeは、よい買い物をしたと思っただろう。しかし、その後「Adobe Flash」は劣勢に追いやられる。一番大きな原因は、モバイルの台頭だった。それも「iPhone」の登場である。