小川淳也議員、NHK・上田良一会長と木田幸紀専務理事に3・1報道について問う

小川淳也議員

小川淳也議員(衆議院インターネット審議中継より)

 3月14日の衆院総務委員会において、立憲民主党・無所属フォーラムの小川淳也議員がNHK会長・上田良一、NHK専務理事・木田幸紀の両氏に、その意図と編集方針、そして報道姿勢について質疑を行うという一幕があった。

印象操作が疑われた小川議員の演説

 もとを辿れば、3月1日の衆院本会議において、根本厚生労働大臣の不信任決議案が野党6党・会派より提出され、この間の統計不正問題を先頭に立って追及してきた小川淳也議員(立憲民主党・無所属フォーラム)が、1時間48分にわたる渾身の趣旨弁明を行ったことに端を発する。  この演説が、先日法政大学の上西充子教授の寄稿記事によって明らかになったように、NHKの編集によって、小川議員を不当に貶めるような形で報じられたのである。(参照:”小川淳也議員による根本大臣不信任決議案趣旨弁明を悪意ある切り取り編集で貶めたNHK”上西充子・HBOL、”【NHKの真っ赤な嘘】2019年3月1日小川淳也議員による根本厚労相不信任決議案趣旨弁明を伝えるニュースウォッチ9|犬飼淳 / Jun Inukaiのnote”)  実際の小川議員の演説内容については、国会パブリックビューイングによる動画(下埋め込み)及び上西教授による文字起こし、あるいは小川議員自身のブログ(「本会議で言及した部分」と、「時間切れだったが、最も訴えたかった最終盤」)をご参照いただきたい。

小川議員の演説はこう報じられた

 この演説を、NHKは以下のような点で印象操作を狙っているとしか思えない切り取りをした形で報じた。(参照:”小川淳也議員による根本大臣不信任決議案趣旨弁明を悪意ある切り取り編集で貶めたNHK”上西充子・HBOL1:小川議員自身の言葉を一切報じていない。 2:実際には小川議員も大島議長や議場の議員に対して深く一礼していたにもかかわらず、それは報じられず、自民党の丹羽議員が議場の議員に対して一礼するシーンを対比するように映し、小川議員が無礼な議員であるかのように印象操作した。 3:1時間48分に及ぶ演説で5回しか水を飲んでいなかったにもかかわらず、「途中、何度も水を飲む姿に、議長は」などというナレーションをかぶせていたずらに水ばかり飲み、無駄に時間を費やしているかのように印象を与えた。 4:すべての原稿を読み終えず時間切れしたため、苦笑いしつつ原稿を振りかざした小川議員の様子に「趣旨弁明は、2時間近くに及びました」とアナウンスをかぶせ、うんざりした様子の自民党の橋本岳議員の姿を映し出した場面は、いたずらに時間をつぶしてヘラヘラと小川議員が笑っているかのような印象を与えた。 5:自民党の丹羽議員による「このたび野党諸君が提出した決議案は、まったくもって理不尽な、反対のための反対。ただの審議引き延ばしのパフォーマンスであります」との発言は、小川議員自身の発言が一言も紹介されていなかったため、説得力をもつもののように紹介されていた。 6:自民党の丹羽議員による「国民の誰ひとりとして、このような無駄な時間の浪費を望んでいないことに、どうして気がつかないのでしょうか」という発言。これは、野党議員を支持する国民を排除するような発言であったが、NHKは「誰ひとりとして」という丹羽議員の排除的な発言を、もっともな指摘であるかのように紹介した。 7:小川議員の趣旨弁明演説の前に根本厚生労働大臣の、余裕の笑顔のような表情を映し出し、最後にも根本大臣の発言を紹介することによって、小川議員の趣旨弁明演説はなんら根本大臣に「刺さる」ものではなかった、という印象を視聴者に与えた。  小川議員自身の言葉を一言も報じずに、悪意ある(ようにしか聞こえない)ナレーションを被せるという編集はさすがに小川議員個人が貶められたということで済む問題ではない。公共放送としての姿勢が問われる問題だとしてSNSでも多くの疑問の声が挙がった。  本サイトでは、そのことを報じた者の務めとして、3月14日の衆院総務委員会において小川議員の追及にNHK会長・上田良一、NHK専務理事・木田幸紀の両氏がどのように答えたのか、その様子を文字起こししてお伝えしたいと思う。
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NHK会長、専務理事の答弁を文字起こし
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