人は、嫌悪感をおぼえると不正をしたくなってしまうという
こんにちは。微表情研究家の清水建二です。
「イライラして機嫌の悪い上司には近づかない」
イライラの火の粉が関係ない自分に降ってこないようにする。オフィスあるあるです。
こうした上司は自分のイライラの長引く影響を意識せずに行動してしまい、普段より周りに厳しい指示をしてきたり、理不尽なことを要求するかも知れません。
感情とその直後の行動とは密接なつながりがありますが、本ケースのように感情が直後の行動を越えて、知らず知らずのうちに後々の私たちの行動に影響を与えることがあります。
本日は、いわば、こうした感情の余韻が引き起こす影響について嫌悪感情をテーマに、嫌悪の余韻が引き起こすズル心性とズルを防止する方法を提案したいと思います。
結論から書きます。会社に、職場に、チームに嫌悪感が漂っていたら、あるいは嫌悪を感じている自分がいたら、仕事の手を一旦止めて、石鹸で手を洗いに行きましょう。
チームの作業中なら一旦ブレイクして、綺麗な写真を観たり、作業している部屋に「ザ・清潔な香り」と呼べるような香水を置いたり、オフィスの空気清浄機の設定を強にしましょう。窓を開けて空気の入れ換えをしてもよいでしょう。
なぜそう言えるのでしょうか。
それは、私たちは嫌悪を抱くと「ズル」をしてしまう心性に陥ってしまうからです。「ズル」といっても色々ありますが、職場に限定すれば、同僚より休憩をこっそり多くとる、チーム作業の貢献度を実際より多く申告する、同僚の功績を自分の功績だとウソをつく……この辺はまだかわいいでしょうか。
裏付けのないデータを裏付けがあるかのように言ってしまう、学歴を詐称する、水増し請求する、脱税する……だんだん犯罪になってきました。
私たちが嫌悪感を抱くとき、私たちは自己保身のための行動をとる傾向にあることがわかっています。Winterichら(2014)が興味深い実験を行っています。