ストレスは脳を破壊する!今すぐできる「脳ケア」のススメ

 皆さんは自分の脳をどれくらい大事にしているだろうか? 重さが体重の約2%しかないにも関わらず、体全体のエネルギーの約20%を消費している脳。脳は莫大なエネルギーを消費してクリエイティブな仕事を行なっているのだ。

脳を破壊するストレス

photo via Pexels

 脳はアイデアの源泉であり、その源泉をメンテナンスしなければ、いいアイデアを生み出しクリエイティブな仕事をすることはできない。  一時期、「脳が大きいほうが頭がいい」という都市伝説が広がったが、脳の大きさとIQ(知能指数)の相関について行われた研究によると、これら2つには相関がないことがわかっている。むしろ、“頭のよさ”と関係があると言われているのは、脳の中の神経細胞がどれだけ作られて広がっているかだ。  さて、読者の皆さんは、どれくらい自分の脳に気を遣っているだろうか? 実はある習慣が、せっかく構築した脳の神経細胞を破壊しているかもしれない。「キラーストレス 」というものをご存知だろうか?  これは、学術的な名称ではなくNHKの特番で、特定の条件が重なることで人を死に追いやるストレスとして命名されたものだ。実は、このストレスが人間の脳を破壊していくのだ。  日本人、特に首都圏に住んでいると、満員電車に乗った経験がある読者が多いと思うが、満員電車に乗ることによって受けるストレスは戦闘機のパイロット以上だという研究結果がある。  また、満員電車に限らず、職場での人間関係や仕事内容で我慢をすることでもストレスは溜まっていく。そうして人間の脳のある箇所が破壊されていくのだ。  アリゾナ州立大学で行われた研究で、ネズミに身動きが取れない環境に閉じ込めて慢性的に我慢ストレスを与えることで脳がどう変化するか実験が行われた。まさに満員電車に閉じ込められたサラリーマンのような実験設備である。  その実験の結果、ネズミの脳の海馬がダメージを受けて神経細胞が縮小することがわかった。  海馬は記憶や学習、感情に関わる箇所であり、その箇所が蝕まれることで、うつ病が発生しやすくなってしまうのだ。うつ病の人は、慢性的な我慢ストレスで海馬が蝕まれている。  我々も、この実験設備のネズミのように、満員電車の中で慢性的な我慢ストレスを溜め続けることで、ちょっとずつ海馬の神経細胞が蝕まれているかもしれない。
次のページ 
すぐに使えるストレスへの対処法
1
2