円安が最大限に生きるオススメ「米系ファンド」

止まらぬ円安の流れ。誰もがこの流れに注目している。これをチャンスにして、うまく乗るしかない。さまざまな分野の投資家たちからの指南を受け、取りこぼすなかれ!

世界中の投資マネーが現局面で向かう先はアメリカだ!

篠田尚子氏

篠田尚子氏

「投資信託はFXのように、円安メリットを直接取りにいける金融商品ではありませんが、うまく相場に乗ることができれば結果的に経済成長と為替差益の果実をダブルで得ることが可能です」  そう話すのは、投資信託に詳しい楽天証券経済研究所のファンドアナリスト・篠田尚子氏だ。 「現状の為替相場は、円安というよりドル高。アメリカの圧倒的な強さを感じます」  篠田氏によると、これまで有望な投資先だったいわゆる『BRICS』を中心とした新興諸国は、このところの景気や株価が思わしくない。しかも総選挙や政権交代が続くなど、本腰を入れて投資できる対象ではなくなっているという。 「行き場を失った世界の投資マネーは、日銀の追加金融緩和で一時は日本株に押し寄せましたが、やはりこれからの本命はアメリカです」  アメリカは各種の経済指標も景気回復を示しており、株式市場もリーマンショック前の水準を回復。NYダウは過去最高値を更新中だ。当面はアメリカを中心とした体力のある先進国に、投資マネーが集まるというのが篠田氏の見方だ。 「アメリカは株だけではなく、不動産市況も盛り上がっているので、安定した利回りが期待できるREIT(不動産投資信託)も有望です」  アメリカを中心としたグローバル株式とグローバルリートを軸に、スパイス的に新興国株を組み入れるのがバランスが良いという。  ちなみに、投資信託評価会社モーニングスターの推計によると、’14 年10月は国内で販売される株式投信は1兆375億円の純資金流入となり、’07 年8月以来、7年2か月ぶりの1兆円乗せを達成した。 「個人投資家による投資信託の購買意欲は旺盛で、年末年始にかけてはNISA(少額投資非課税制度)の駆け込み買いや新年枠の投資がさらに流入することも期待できます」  円安ドル高、そして強いアメリカの相場に便乗可能。そんな篠田氏推奨の優良ファンド5本は上表のとおりなので、参考にしてみてほしい。 【金言】本命はアメリカ。株とREITを軸に優良ファンドを購入せよ

円安に便乗できるファンド

・朝日Nvestグローバル バリュー株オープン (朝日ライフアセットマネジメント) 基準価額:1万4709円 純資産総額:467億2900万円 トータルリターン1年:10.72% トータルリターン3年:24.67% 信託報酬(名目):1.94% 販売手数料(上限):3.24% バリュー株投資で評価の高いアメリカのハリス・アソシエイツ社に運用を委託。投資先の約8~9割は北米と欧州で新興国も含む。優良ファンドとして多くの受賞実績あり ・テンプルトン・グローバル株式ファンド (フランクリン・テンプルトン・インベストメンツ) 基準価額:1万389円 純資産総額:23億9800万円 トータルリターン1年:9.3% トータルリターン3年:24.29% 信託報酬(名目):1.24% 販売手数料(上限):3.78% 海外株運用に定評のあるフランクリン・テンプルトン社のグローバル株ファンドに投資。独自の投資理念に基づく銘柄選定で、着実に運用実績を積み上げている。 ・世界経済インデックスファンド (三井住友トラスト・アセットマネジメント) 基準価額:2万1100円 純資産総額:91億7100万円 トータルリターン1年:12.48% トータルリターン3年:17.25% 信託報酬(名目):0.54% 販売手数料(上限):3.24% インデックス連動型としては珍しく、一つの地域や通貨に限定せず、複数地域の株式・債券インデックスを組み合わせる。約9割を外貨建て資産が占める。 ・ニッセイグローバルリートインデックスファンド (ニッセイ・アセットマネジメント) 基準価額:1万3601円 純資産総額:20億7400万円 トータルリターン1年:※ トータルリターン3年:※ 信託報酬(名目):0.49% 販売手数料(上限):0% 海外リート市場の代表的な指数であるS&Pグローバルリート指数(除く日本)に連動した投資成果を目指すインデックスファンド。低コストが魅力。 ・フィディリティ・グローバル・ハイ・イールドファンド/毎月決済型 (フェディリティ投信) 基準価額:1万3428円 純資産総額:791億2300万円 トータルリターン1年:13.24% トータルリターン3年:19.56% 信託報酬(名目):0.85% 販売手数料(上限):3.24% アメリカ、アジア、欧州の3地域のハイ・イールド債券(信用格付が低い分、利回りの高い社債)にそれぞれ3分の1ずつ投資。 【篠田尚子氏】 楽天証券経済研究所ファンドアナリスト。国内銀行、リッパー・ジャパン(現トムソン・ロイター・マーケッツ)を経て、現職。投資信託商品や市場動向の的確な分析に定評 基準価額は’14年11月20日のもの ― 超円安で極限まで稼ぐ最新テク公開【5】 ―