SNSで見かけた悪口にリプライではなくDMで対応する理由~「ダメリーマン成り上がり道」#11

 仕事でSNSのアカウントを利用する人にとって悩ましいのが、不平・不満や悪口への対処法。「基本は無視する」「こちらに非がある場合は謝罪する」などの対応をする人が多いだろう。

リスクも大きいSNS

 では、MCバトルの大会「戦極MCBATTLE」を主催し、ツイッターのアカウントを運営するMC正社員は、どのように対応をしているのか? 連載『ダメリーマン成り上がり道』の第11回は、戦極MCBATTLEのSNSアカウント運用法について解説する。  MC正社員が運営する「戦極MCBATTLE 公式」のツイッターのアカウントは、フォロワーが約6万9000人。リツイートで大会の情報を広めてくれる人や、好意的なリプライを送ってくれる人も多いが、大会名でエゴサーチをするとネガティブな声も多く見かけるという。 「『今回は出演者が微妙だ』『MC正社員の好みじゃねえか』みたいな声もあるし、僕個人に対して『顔が気持ち悪い』みたいな悪口もある(笑)。ホント、いろいろですね。あまりにナメたことを言われたら、こっちもリプライ(返信)したくなりますけど、ツイッターで議論をしても何も解決しないんですよ。ダサく映るし、前は感情的に書いてる事もあったけど、ここ1年は特にSNSで意見は言わなくなった。あとリプライを送ると、そのやりとりは約7万人の人が見られる状態になる。フォロワーが10人の人と議論をしても、場合によっては7万人に袋叩きにされる可能性もあるんです」  相手が支離滅裂なことを言っている場合も、フォロワー数の多い人が真面目に反論をすると、「あなたのような影響力の大きい人が、私のような一般人のツイートを晒し者にするのはいかがなものか」などと言いがかりをつけられるケースも最近は多い。一般人にリプライを送ることは、フォロワー数の多い人にとって、それだけでリスクが大きすぎるのだ。 「不平不満のなかでも、『これはきちんと対応しなきゃダメだ』と思うものもあるんです。そういうときはリプライではなく、相手と自分しかメッセージを見られないDM(ダイレクトメッセージ)を送るようにしていますね」  『戦極MCBATTLE 第17章 -THIS IS MILLIONAIRE TOUR FINAL 本戦-』の開催後、「会場の後ろのほうの人はバトルの様子が全然見えなかった」というツイートを見たときも、DMを送って詳しい話を聞いたそうだ。 「そのDMのやりとりで、会場に小中学生のお客さんが結構いて、彼らはステージが見えづらかったこともわかって。次の『戦極MCBATTLE 第18章 -The Day of Revolution Tour-』からは、バトルの映像を映す大型スクリーンを導入することができました」  なおDMの文章は相手の年齢や立場を問わず、「敬語で丁寧に書くこと」を心がけているそう。不平・不満があった人も、フォロワー数の多い運営者が丁寧なDMを送ってくれて、真面目に話を聞いてくれるとなれば、相手も冷静に意見を伝えたくなるだろう。
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客側との距離感がカギに
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