米集団移民増加の遠因は米国社会の差別が生んだ犯罪集団にあった

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Photo by Jan Sochor/Latincontent/Getty Images

 中米エル・サルバドル、ホンジュラス、グアテマラで麻薬組織カルテルに匹敵する若者が中心となった凶暴な暴力組織が2つ存在している。  Mara Salvatrucha(M-13)とBarrio 18(B18)だ。この2つの暴力組織も、中米から米国に向けて集団移民している人たちをそのように仕向けた要因のひとつなのである。

米国社会の差別的境遇が生んだ「暴力組織」

 この2つの組織は米国で誕生した。彼らの凶暴さに米国が困り果てて、1996年から2004の期間に彼らの出身国である中米3か国エル・サルバドルに87031人、ホンジュラス106826人、グアテマラ64312人をそれぞれ送還した結果が、今、集団移民キャラバンを米国に導く誘因のひとつとなっているのである。彼らの多くが顔や身体に入れ墨を入れているのが特徴だ。(参照:「El Confidencial」)  彼らが幼少の頃に育った中米3か国は、国によって多少の時の差はあるが内戦に包まれた。その戦争の残虐さを見て彼らは育ったのである。  当時の米国はジョンソン大統領の時代で、内戦下にあった中米の住民を難民として米国は受け入れた。特に、ロサンジェルスとシカゴが彼らの多くを受け入れたという。  しかし、彼らの家庭は貧困状態が続き米国社会からも差別的な境遇に置かれていた。そのような環境の中で、幼少時に内戦の残虐さを見て育った若者はグループを組んで自分たちを差別社会から守るために頻繁に暴力を行使するようになったのである。  それはちょうど1960年代から80年代にかけてであった。最初にグループを結成して自分たちを守ろうとしたのはエル・サルバドル出身の若者であった。彼らが行使する暴力は内戦で見た残虐さを再現させるような凶暴さであった。それがM-13が誕生したルーツである。彼らの結束は固く、しかも凶暴さが群を抜いていたのでたちまちの内に彼らはテリトリーを拡大していったのである。それに対抗して生まれたのがB18であった。  この2つの組織はリーダーが刑務所に入っても、そこから指示を与えることができるというほどにリーダーへの忠誠心が強いのである。彼らによる凶暴な犯罪が顕著になり、しかも結束力が強いというこで常套手段では彼らを抑えることはできないと判断した米国の関係当局は、彼らの出身国へ送還させることを決めたのである。それが前述した3か国へ送還した人数であった。トランプ大統領も米国で今も残存している彼らを同じく中米3か国に送還させることを考えているという。
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強制送還先の本国で大暴れ。結果避難する人が移民に
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