「反落なき米株高」にこの先待ち構えるシナリオとは?

吉田 恒氏

吉田 恒氏

 米株上昇傾向が続いている。今回の米株上昇の特徴の一つとして「反落なき続伸」ということがある。NYダウはすでに2011年秋から10%以上の大幅な反落なき上昇が3年以上も続いた。 「反落なき続伸」相場の一つに、「バブル破裂」前の日経平均上昇があった。日経平均は1987年10月、いわゆる「ブラックマンデー」で急落したものの、その後は10%以上の大幅な反落がないまま1989年末まで2年以上の続伸となった<資料参照>。 ※<資料>はコチラ⇒http://hbol.jp/?attachment_id=17962
米株高

<資料-日経平均>

 日経平均にブラックンマデー以来の10%以上の大幅な反落が起こったのは1990年1月だった。それは結果的には10%をはるかに上回る急落に向かい、結果的にはバブル破裂の始まりだった。  以上を参考にすると、現在NYダウも、2011年8月以来の10%以上の大幅な反落が起こるときは、相応の急落になる可能性があり、結果的には「バブル破裂」の始まりになる可能性もあるかもしれない。  それにしても、1989年末にかけての日経平均のバブル相場は、1987年ブラックマンデーを受けて、世界同時株暴落に歯止めをかけるべく日銀が金融緩和強化に動いたことで、さらなる金利低下を好感した株高、「金融相場」が広がった結果と考えられた。その株高は、日銀が金融引き締めに転換してもしばらく続いたことこそ、まさに「バブル」だった。  これに対して最近にかけての米株高は、2011年8月の米国債デフォルト騒動、そして欧州債務危機などを受けてFRBが金融緩和強化に動いた結果の「金融相場」だろう。FRBが金融緩和見直しを進めるなかでもそんな株高が続き、むしろ「バブルの匂い」が強まるが、果たしていつまで続くのか?(了) ◆1月の会場及びWEBセミナーのご案内 1月10日=M2JFXアカデミア新春セミナー 1月14日=「為替の学校」M2JFXアカデミア「予測編」第1部 http://www.m2j.co.jp/seminar/ 【吉田 恒氏】 1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。同社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など ●ツイッター http://mobile.twitter.com/yoshida_hisashi ●FXの学校「アカデミア」https://www.m2j.co.jp/mp/my_fxacademia/