元日経新聞記者は「市場開始後30分」を見逃さない。それがネット株売買の「勝負どき」

 元本割れすることなく、ローリスク・ミディアムリターンを狙って着実に利益を出していく“石橋を叩いて渡るネット株投資術”(石橋攻略)。今回は、ネット株の売買のタイミングについて解説します。

市場が始まってから30分ほどでその日の売買を終える

パソコンを見つめる 読者の皆さんの中にはネット株の売買のためには、「市場が開かれている間、ずっとパソコンとにらめっこしていなければならない」と思っておられる方が多いのではないでしょうか。その必要はありません。市場開始後30分が勝負です。この30分の間に手持ちの株式の動向がかなりはっきり分かります。そこでその日の売買を決めます。  たとえば、私が利用している松井証券のネット株画面には午前8時過ぎから私が保有している株式の売買価格気配がリアルタイムで表示されます。価格気配は数時間前に終わったNYダウやドル円相場、時には米FRB(米連邦準備理事会)議長発言、さらに毎月発表される米雇用統計、四半期別のGDP速報値などに大きく影響されます。  午前8時半頃から価格気配をチェックし、東京市場が始まる午前9時直前に一部銘柄の売買の予約を入れます。予約のメドですが、売却の場合は1万~2万円の差益が得られる価格水準です。  購入の場合は、例えば、株価が3000円以上の銘柄の場合なら前日比100円以上下落した水準で100株、株価2000円程度の銘柄なら、50円以上下落した水準で200株購入します。  実際の株式売買は午前9時から始まります。この段階で予約した株式の売買が成立する場合があります。予約が成立していない銘柄もあります。経験から言えば成立していない銘柄の方が多いのが普通。売却価格を高く設定したこと、購入価格を低く設定したことが原因です。  実際に市場が始まった段階で、売買価格の変化を見ながら価格水準を訂正します。この作業は市場が始まってから30分ほどで終了させます。米企業の業績悪化、金融政策の変更、地政学リスクの拡大などで米市場が混乱している場合などは、午前10時頃まで東京市場の動きを注視する必要がありますが、通常は市場が始まって30分ほどでその日の売買を終えます。  数時間前に終わったNYダウが上昇し、当日の日経平均にプラスに働く場合は、寄り付きが高めに反応する傾向があります。その後時間を経るにしたがって株価は落ち着いてきます。寄り付き付近で株価が上昇したときが売却による利益確定のチャンスです。  逆にダウが大幅下落した時は、購入のチャンスです。寄り付きの株価は下落幅が大きくなる傾向があります。その段階で購入します。その後下げ過ぎの場合は徐々に上方に修正されます。「市場開始後30分が勝負」という意味がお分かりいただけたと思います。私の場合は利益の8割近くをこの30分から10時までの1時間の売買で得ています。
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後場の開始直後と終わる直前も要チェック
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