女性閣僚が一人だけの安倍改造内閣。在日外国人女性からは「“女性活躍社会”と口だけのリーダーばかり」の声も

「SHINE!~すべての女性が、輝く日本へ~」というスローガンを掲げながら、女性閣僚は片山さつき地方創生担当相一人だけ……。10月2日に発足した第4次安倍改造内閣が批判を浴びている。

首相が女性の英独。北欧では閣僚の約半数が女性

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政府広報オンラインでは英語版サイトで「WHERE WOMEN SHINE」と高らかに謳っているが……

 女性閣僚が少ないことについて、安倍首相は「2人分、3人分の発信力を持って仕事をしていただけると」と“トンチの効いた”コメントを発しているが、それ以前には河野太郎外相がカナダで行われた女性だらけの外相会議に唯一の男性として出席。集合写真で真ん中に立っていたことについて批判を浴び、「フェイクニュース」だと応戦する事態になっている。  昨年、世界経済フォーラムが発表した「男女平等ランキング」でも、世界114位と輝くどころか暗澹たる結果に終わっている日本。単に女性閣僚の数が多ければいいというわけではないが、女性が活躍できる社会と程遠いことは間違いないだろう。  では、他国ではどれぐらい女性閣僚が起用されているのか? まずアメリカのトランプ政権には、16人中3人の女性閣僚が。アジア系アメリカ人女性初の閣僚でもある、イレーン・チャオ運輸長官。チャオ氏はブッシュ政権で’01年より労働長官も経験している。  続いてベッツィ・デボス教育長官とキルステン・ニールセン国土安全保障長官。ニールセン国土安全保障長官は、メキシコ国境での不法移民が増加していることに関して、今年5月にトランプ大統領に「弱腰」であると罵倒されたことが『ワシントン・ポスト』によって報道されている。そのほかには、閣僚級高官にも中央情報局(CIA)長官のジーナ・ハスペルなど、3人の女性が登用されている。  続いては女性のテリーザ・メイが首相を務めるイギリス。23人中、エスター・マクヴェイ労働年金大臣、エバンス・オブ・ボウズ・パーク女男爵が貴族院院内総務兼王璽尚書、カレン・ブラッドリー北アイルランド大臣、ペニー・モーダント国際開発大臣兼女性・平等担当大臣と女性閣僚は4人。  同じく女性のアンゲラ・メルケルが首相を務めるドイツでは、16人中7人。8月には男女以外の「第3の性」を出生届の性別欄に加える法改正を閣議決定したカタリナ・バーリー法相、ユリア・クレックナー食糧・農業相、ウルズラ・フォン=デア=ライエン国防相、フランツィスカ・ギッファイ家族・高齢者・女性・青少年相、スベニャ・シュルツェ環境・自然保護・建設・原子炉安全相、アーニア・カーリクチェク教育・研究相と多くの女性が要職に就いている。  フランスのエドゥアール・フィリップ内閣では、主要閣僚17人のうち8人が女性。ニコル・ベルベ国璽尚書兼司法大臣、フロランス・パルリ軍事大臣、アニエス・ビュザン連帯・保健大臣、フランソワーズ・ニセン文化大臣、ミュリエル・ペニコ労働大臣、フレデリック・ヴィダル高等教育・研究・イノベーション大臣、アニック・ジラルダン海外県・海外領土大臣、ロクサナ・マラシネアヌスポーツ大臣らが名を連ねている。  そのほか女性閣僚が多かったのは、イバン・ドゥケ大統領が内閣の半数を女性にすると表明していたコロンビア。また、ノルウェーやスウェーデン、アイスランド、フィンランドといった北欧各国も約半数が女性閣僚だ。  8月30日に文在寅(ムン・ジェイン)大統領が内閣改造を行ったお隣韓国でも19人の閣僚のうち5人が女性。新たに社会副首相兼教育部長官に愈銀恵(ユ・ウンへ)、女性家族部長官に陳善美(チン・ソンミ)が起用されている。
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女性からは諦めに近い声も
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