豪雨が来たら気をつけたい。専門家が選ぶ「危険なダム ワースト10」
西日本豪雨災害で、“想定外”の豪雨があったとして上流のダムが大量放流、下流域に大きな被害を出した。再び“想定外”の豪雨があった場合、大量放流や決壊の可能性のあるダムは全国に数多く存在した!
今回作成したランキングは、今本博健氏(京都大学名誉教授)、嶋津暉之氏(水源開発問題全国連絡会共同代表)、嘉田由紀子氏(前滋賀県知事、環境社会学者)らの評価を基に編集部で作成した。
まずは10位から見ていこう。危険なダム10位に選ばれたのは、和歌山県の殿山ダムだ。
10位 殿山ダム(和歌山県田辺市)
関西電力の発電用ダム。’90年と’97年の水害で被害を受けた住民が、利水優先でほぼ満水だったのが原因ではと損害賠償訴訟を起こしたが、住民側が敗訴。管理者の運用が適切だったかは不明のままで、同様の水害が再び起こることが危惧されている。
続いて9位。
9位 只見川水系のダム(福島県大沼郡)
只見川流域にある4つの発電用ダム(本名・上田・宮下・片門ダム)は、ダムの堆砂が原因で洪水被害が出たとして、’11年の新潟福島豪雨災害の被災者から訴訟を起こされた。裁判は被災者側が敗訴したが、堆砂の問題や浚渫の遅れなどの問題は放置されたままだ。
8位になったのはすでに洪水被害の前歴があるダムに新設されたダムが水害リスクが増してしまったというシロモノだ。
8位 平瀬ダム(山口県岩国市)
錦帯橋のかかる清流・錦川に建設中の治水と利水のための多目的ダム(総事業費740億円)。既設の菅野ダムが’05年に洪水被害を拡大させた前例があり、さらに平瀬ダムの新規建設で水害のリスクが増大。森林整備や河川改修などの治水対策も後回しに…
7位 二風谷ダム・平取ダム(北海道沙流郡)
100年間にたまると予測した土砂が5年でたまり、あと10年で埋まるとされているのが、北海道平取町の沙流川水系に建設された「二風谷ダム」(’97年完成)。
堆砂で洪水調整機能をほぼ喪失、下流の洪水被害増大を招くのは必至。しかし北海道開発局(国交省の現地組織)は上流に平取ダム計画を推進。同じ問題が発生するのは確実だ。
ワースト10~7位には堆砂でダム湖の体をなしてない例も
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