アベノミクス再始動で俄然盛り上がる日本株とは?
2014.12.22
選挙前から好調をキープしている日本株。’07年につけた1万8261円の高値更新はもはや時間の問題だ。そこで気になるのは選挙後の株価の行方。選挙結果は株価にどう影響を与えるのか。そして、選挙後に騰がる銘柄を聞いた。
⇒【前編】
金融ジャーナリストの岡村友哉氏が注目する政策は、軽減税率や地方創生。また、円安が政府の訪日外国人客増加を後押ししていると指摘する。
「今回の公約では目新しい材料は少ないのですが、公明党が掲げる軽減税率で恩恵を受ける企業には追い風が吹きそうです。これまで、成長戦略では空振りが多かったとはいえ、地方創生や訪日外国人客の増加に関する政策は今後も確実に進められることになるので、それに関連する銘柄も引き続き注目されます」(岡村氏)
一方、SBI証券のアナリスト・藤本誠之氏は成長戦略の中で「地方創生」をキーワードとみる。
「ただ具体策に欠けるため、個別銘柄に繋がりにくいのが難点。ポイントは、これまで市場でも何度か注目されてきたにもかかわらず、実現しなかった政策。例えばカジノです。カジノ法案は衆議院解散で廃案になりましたが、’15年の通常国会に再び提出されるでしょう。そうなれば、市場でも再びカジノ関連に注目が集まることになります」
これまで、カジノ関連ではスロットマシン紙幣両替機などを手掛ける企業が人気化した。しかし、実際にこれらの企業に藤本氏が取材したところ、企業担当者から「いったい日本に何軒のパチンコ屋さんがあると思いますか。カジノができたからといって、一度に何千、何万も両替機の需要が増えるわけがない」と言われたとか。
「カジノ関連の本命は横浜絡みの銘柄」と話す藤本氏。ほかに、アベノミクス絡みではクールジャパン関連にも注目している。
株価は、材料よりも常に先回りして動くもの。新内閣が誕生するまではまだ若干猶予がある。組閣が終わり、アベノミクスが再始動する前に、あらかじめ自分の投資銘柄を絞り、爆騰のチャンスを逃さないようにしたいものだ。
<3賢人による「解散総選挙後」推奨銘柄~後編~>
【岡村友哉氏】
●沢井製薬(東1・4555)
株価6940円/目標株価8500円
後発医薬品大手。消費税先送りで一段の社会保障費の抑制が必要。来春に薬価改定も控えるなか、政府も後発薬の普及を進める見通し。11月に英投資会社が保有比率を拡大
●魚力(東2・7596)
株価1559円/目標株価1900円
鮮魚専門店を百貨店内などで展開。公明党が掲げる生活必需品の軽減税率が導入されれば恩恵を受けそう。軽減税率の適用範囲は議論が分かれているが、生鮮食品は確実だろう
●昭文社(東1・9475)
株価845円/目標株価1100円
地図やガイドブック大手。安倍首相は訪日外国人を年間3000万人まで増やす計画。円安も外国人客増加に追い風となる。11月に訪日外国人向けスマホアプリ配信も開始
●フィンテックグローバル(東マ・8789)
株価203円/目標株価300円
事業再生などに特化したブティック型金融会社。今期から地方の再開発など地方を基盤としたプロジェクトをスタート。現時点では数少ない地方創生関連銘柄として注目される
※株価は12/10終値
【藤本誠之氏】
SBI証券シニアマーケットアナリスト。独自の大胆な相場、個別銘柄分析に定評。オールアバウト株式ガイドも務める。別称“相場の福の神”
【岡村友哉氏】
金融ジャーナリスト。大手証券を経て金融情報会社アナリストとして活躍。現在は株番組解説者ほか多方面で活躍中
取材・文/新井奈央 写真/時事通信社
― アベノミクス再始動で騰がる銘柄12選【2】 ―
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