身振り手振りをまじえて、政策を説明する石破茂・元防衛相
石破茂・元防衛相が8月10日、衆議院第二議員会館の多目的室で16時から自民党総裁選への出馬会見を行った。会見場に貼られた石破氏のポスターのキャッチフレーズは「正直、公正、石破茂」というもので、森友・加計問題で“お友達優遇”と批判されている安倍晋三首相への当てつけともいえる内容だった。
石破氏は冒頭発言でこう語った。
「思いの一端を申し述べさせていただきます。私は、正直で公正、そして、謙虚で丁寧。そういう政治を作りたいと思っております。『なんだ、当たり前のことではないか』と言われるかもしれません。
しかし、なぜ今の時代、正直で公正、丁寧で謙虚、そのような政治が求められるのか。それはこれから先、わが日本国が直面する大きな課題に対応していくためには『日本の設計図』を書き換えていかなければいけないからであります」
「未来は過去の延長線上にはありません。過去の遺産にすがり、そして次の時代に負担を先送りするような、そのような政治であってはなりません。設計図を書き換えていくためには、政治が国民の皆さま方に対して、誠実で謙虚で正直に勇気を持って真実を語る。その姿勢が必要であります。
そして国民の皆さま方、その政治の語りかけに対して納得と共感を寄せていただく、信頼を寄せていただく。そうでなければ設計図を書き換えることなどはできません」
自民党の会見では異例、フリー記者にも会見をオープン
「正直、公正」と書かれた石破氏のポスター
石破氏の会見が異例だったのは、フリー記者にも会見をオープンにして、挙手した質問者の質問に全て答え、しかも冷静かつ丁寧だったこと。その結果、会見は1時間30分という長時間になった。
国会などで野党議員に気に入らない質問をされると逆ギレして、持論をとうとうと述べる安倍首相との姿勢との違いが際だった。永田町で40年以上取材をしているベテラン記者は次のように語る。
「自民党関係者の会見は、記者クラブ『平河クラブ』が主催し、フリーは排除するのが長年の通例です。入れたとしても質問はさせない。石破会見にフリーの記者を入れて質問を認めたのは、極めて異例なことです。
私もフリーを入れると聞いたとき、とはいえ質問者は『平河クラブ』の記者に限られるだろうと思っていました。それがフリーにも質問を認めるという前例のない措置でしたから、正直驚きましたよ。永田町を40年取材していますが、こんなことは初めてです」