スペインのタクシー業界、UBERなどの配車アプリへの規制強化を求めてスト断行。長引く可能性も
El Pais」)
今回、バルセロナのタクシー運転手がストライキの実施に踏み切った発端となったのは、次のようなできごとがあったからだ。
6月26日にバルセロナ市議会で、ウーバーとキャビファイのバルセロナ市内での配車サービスを規制する法案を決め、今後の彼らの営業には新たにメトロポリタン・タクシー協会からの営業許可証が必要だということを決めたのである。同法案が施行されれば、メトロポリタン・タクシー協会がウーバーとキャビファイに対して、この新しい営業許可証の発行を制限させて現在バルセロナ市内で営業している1000台余りのウーバーとキャビファイを400台まで減らすことになる。また、この許可証なく営業した場合は4000ユーロの罰金を科されることになる。(参照:「El Pais」、「El Mundo」)
当然、バルセロナのタクシー業界はこの法案を、もろ手を挙げて歓迎した。急激に支持率が低下しているというバルセロナのアダ・コラウ市長にとっては、来年の地方選挙に向けて支持率回復の一助になる政策だったのだろう。
ところが、この決定に国家公正競争市場委員会(CNMC)が待ったを掛けたのである。
そして、カタルーニャ州の最高裁に市議会の決定は違法であると告訴したのである。違法であるという理由は、運送業界の規制に関しての決定は法的にスペイン政府の管轄になるもので、市政はそれに関与できないとされているからである。
結局、7月19日にカタルーニャ最高裁はCNMCの言い分を認め、バルセロナ市議会での決議案を違法としたのである。この判決を不服としたバルセロナのタクシー業界はスペイン政府の振興省の運輸部の高官レベルと交渉を進めたが、彼らが満足できる回答を得ることができず、遂に25日からストを決行することを決めたのである。(参照:「El Independiente」)
7月25日にバルセロナで始まったタクシー運転手のストライキはマドリード、バレンシア、サラゴサ、アリカンテなどに波及しており、観光シーズンに入る中、大きな影響を与えている。
このストライキ、そもそもの理由は、運転手付きの自動車配車サービス(VTC)ウーバー(Uber)とキャビファイ(Cabify)に対し営業規制強化を要求したタクシー運転手のストである。
ウーバーは世界的に既に知られているが、キャビファイというのはスペインで誕生したウーバーと同じようなサービスを提供する配車サービスである。マドリードで2011年に誕生したのであるが、スペイン以上にラテンアメリカで急速な成長をしている。(参照:「大規模ストライキに突入した理由
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