中国ではモバイル決済普及率98%。2年後にオリンピックを控える日本は……

JAPAN OKINAWA MOBILE PAYMENT

写真/Imaginechina/時事通信フォト

 電撃的に決定した米朝首脳会談は中止かと思いきや、一転、無事に開催された。世界がトランプ大統領に振り回されようとも米国経済の絶好調は続くが、そんな’18年上期の経済トピックをチェック!

モバイル決済普及率98%! 止まらない中国IT革命

 携帯電話でお金が支払える「モバイル決済」。日本ではモバイルSuicaやアップルペイがよく知られ、電子マネーの年間利用額は399億ドル(’15年)と世界一を誇る。  だが、昨年の日銀の発表によれば、モバイル決済の普及率はわずか6.0%なのに対して、中国では98.3%!? 日本人が知らぬ間に、中国は猛スピードで超キャッシュレス社会に変貌を遂げていたのだ。  モバイル決済ジャーナリストの鈴木淳也氏は、中国でのモバイル決済の爆発的普及の原因をこう解説する。 「中国のスマホはID(個人情報)と銀行口座が紐付けられ、大多数のユーザーはネット通販のタオバオや送金機能を持つウィー・チャットなどのアカウントをすでに持っている。もともと、モバイル決済への抵抗感は少なかったのです。さらに、政府の規制緩和によって、店頭でのモバイル決済が可能になった。このとき使われるのがQRコードで、中国ではカフェやコンビニはもちろん、屋台や露店でもQRコード決済が主流になりつつあり、現金を使う機会がないくらいです」  中国ではスマホによる個人間送金が普及しており、この仕組みを店舗決済にそのまま流用した格好だ。加盟店方式の電子マネーやクレジットカード決済と違い、同じ送金サービスのアカウントさえあれば、どの店舗も審査なしにQR決済を導入できる。決済手数料がほぼ無料なのも、普及を後押しした。 「日本のモバイル決済は、10年前から進んでいません。観光立国を目指しながら、多くの外国人が訪れる東京五輪では、機会損失をこうむる怖れがある」  2年後の五輪に間に合うのか……? ― ゼニズバッ! ―