原油高騰で注目を集める「オイルサンド」。投資材料としても要チェック

カナダのオイルサンド事業

カナダ・アルバータ州北部にある採掘場で、原油を抽出するために運ばれるオイルサンド。カナダの石油生産の主力で、豊富な埋蔵量を誇る 写真/時事通信フォト

 電撃的に決定した米朝首脳会談は中止かと思いきや、一転、無事に開催された。世界がトランプ大統領に振り回されようとも米国経済の絶好調は続くが、そんな’18年上期の経済トピックをチェック!

原油が3年半ぶりの高水準! 注目集めるオイルサンドって?

 原油価格が1バレル=70ドルを突破し、3年半ぶりの高水準となっている。現在は、これまで協調減産を進めてきたサウジアラビアとロシアが緩和に転じる可能性が出てきたことで60ドル台に下落したものの、依然として高値で推移している。  トーキョー・トレーダーズ・タイムズの小針秀夫代表が解説する。 「’16 年にサウジとロシアが減産に踏み切ると、原油価格は上昇に転じ、大量に消費する中国の需要が堅調なことが相場を押し上げている。原油の上昇に伴い、石油の代替資源であるシェールオイルの生産も増加し、米国内のリグ(採掘機器)の稼働数は、’16年5月には316だったのが、現在は861と約2.7倍になっているほどです。ただ、あまりにも生産が増えたのでシェールオイルの供給施設が飽和してしまい、ボトルネックの問題が表面化して在庫化する状態が顕在化しています」  石油に代わる新エネルギーのシェールオイルは、生産コストが1バレル当たり40~60ドルと高く、この水準を原油価格が上回ると増産される傾向にある。だが、そのシェールオイルの供給が追いつかない今、注目を集めるのが、耳慣れない「オイルサンド」だという。 「コールタールのような原油を含んだ砂岩で、シェールオイルと同じ石油代替資源です。一時は脚光を浴びたが、生産コストが1バレル当たり80ドル前後と高く、採掘事業から撤退する石油会社が相次いだが、現在の原油の上昇トレンドで一部で注目されているようです」  このため投資材料としてウォッチするのも面白いと言えるだろう。米国でガソリン需要が高まる夏に向けて、オイルサンドの動きに注目だ。 ― ゼニズバッ! ―