水原希子も怒り心頭! 荒木経惟がモデル女性に注いだオリエンタリズムのまなざしとは

荒木経惟氏との長年の確執を告白した、Kaoriさんのブログ

北条かやの「炎上したくないのは、やまやまですが」【その21】

 世界的に有名な写真家、荒木経惟(アラーキー)に「#meToo」の告発が寄せられ、波紋を広げている。告発したのは、2001年から2016年まで彼のモデルを務め、彼の「ミューズ」とも呼ばれたダンサーのKaoRiさん。  彼女が2018年4月1日に公開した約7000文字にわたるnoteには、16年もの間、荒木氏に服従を強いられてきたこと、解放を求める彼女に対し、荒木氏の対応が非常に抑圧的であったことが窺える。告発を受け、モデルの水原希子さんも、数年前に荒木氏との撮影で苦痛を受けた旨を公表。多くのメディアが取り上げる事態となっている。 「その知識、本当に正しいですか?」と題されたnoteによると、KaoRiさんと彼との関係は「完全に写真家とモデル」で、恋人関係ではなかった。ところが、被写体としての契約書はなく報酬も支払われなかったという。 「初めてヌードになった時、メイクさんに確認をすると『荒木さんはそういうのないなぁ』『日本ではそれが普通』と言われ、アラーキーほどの人なのだから悪いことはされないだろうと思っていました。(中略)まだまだ若く甘すぎた。それで、どんどん仲が深まって、言い出せない関係にまで発展してしまったのが最大の過ちでした」(KaoRiさんのnoteより)  衆人環視のもとヌード撮影を強制されたり、彼女を写した写真集やDVDが何の相談もなく出版されたり、過激なパフォーマンスを強いられたりした。疑問を感じ、関係改善を求めても「知らない」「俺は関係ない」「気にするのが悪い」等と言われ、2016年には「有限会社アラーキーに対する名誉毀損と営業妨害に当たる行動を今後一切いたしません」という書類にサインするよう強要されたという。  荒木氏の写真には、KaoRiさんや妻の陽子さん、他のモデルなど被写体との親密な関係がよく映し出されている。たしかに黒髪の女性が和服を着崩したり、縛られて半裸になったりしている写真は、日常的なエロスを表現したと言えなくもない。が、被写体を「切り取る」という言葉があるように、カメラで他者を撮影する営みはすべからく搾取性と抑圧をはらんでいる。
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東洋への憧れと差別心が一体になった「オリエンタリズム」
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