誰でもネットカリスマになればお金を生む時代到来。2018年のインフルエンサー事情は?
2018.01.02
インフルエンサーとは「人々に大きな影響力を持つ人物」という意味で、具体的には著名人やカリスマブロガーなど、SNSで数万~数百万人単位のフォロワーを持つ個人を表す。
近年、その発信力を広告やマーケティングに活用する企業が増えており、その世界的市場規模は5億円で、今後5年で100億円規模に達するとも言われる。
日本でも2017年、SNS上ですでに多くのフォロワーを持つ学生を優遇する「インフルエンサー採用」を導入する企業が現れ、また「インスタ映え」が流行語大賞を受賞するなど、この趨勢が一層加速していくことは明らかだ。
SNSマーケティングに詳しい、ITジャーナリストの坂本翔氏は次のように話す。
「企業がインフルエンサーを使うメリットは、広告代理店よりも少ない費用で効率良くターゲットにアプローチできる点に尽きます」
インフルエンサーが、広告ターゲット層のフォロワーにSNS上で商品紹介をしたり、企業広告に登場することで、最大限の広告効果を望めるのだ。そんななか、2018年特に予測される動きとは?
「インフルエンサーの数自体が増えるのはもちろん、ジャンルの多様化と適用範囲の細分化が起きてくるでしょう。たとえばファッション一つをとっても、趣味趣向ごとに人気を得る人が出てくる。また、企業側にはフォロワーが数千~1万人程度のナノインフルエンサー、数十万人以上のマイクロインフルエンサーの使い分けも求められます。人口10万人程度の地方都市にある企業や店がトップインフルエンサーを活用して数十万人~数百万人に拡散するのは費用対効果が悪い。そこで、その都市に住むマイクロ、またはナノインフルエンサーを使うことで、費用対効果の高い集客ができるのです」
同じ広告キャンペーン内で、大小のインフルエンサーを使い分ける手法もあるようだ。
またインフルエンサー起用にあたって、もう一つ重要な要素がある。
「10万人のフォロワー数があっても、『いいね!』やコメントが数百程度しかつかないアカウントは広告効果が薄い。運用の仕方にもよりますが、エンゲージメント率は一つの大きな基準になります」
フォロワー数だけが重要ではないことは「THECOO株式会社」の調査からも窺える。これによるとインスタグラムでスポンサード投稿を行っている個人の平均フォロワー数が約8万人だった年7~9月に対し、同年10~12月期においては、約6.5万人へと減少。一方で、スポンサード投稿を行うインフルエンサー数が急速に増えていることから、企業にとってエンゲージメント率がより重視されていることの証左といえる。
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