好調日本株のなかで、さらに大きく伸ばす推奨銘柄4選

 バブル崩壊後の最高値を26年ぶりに更新した日経平均株価。巷では3万円台も見えてきたという声もチラホラ聞こえる。そこでこのバブルに乗り遅れないための注目銘柄を事情通が大選出。ラストアベノミクス号に乗り遅れるな!

マーケットに精通する事情通が握る「株高の余地が大きい銘柄」は?

 個人から海外ファンドまで幅広い市場参加者が高く評価するいい銘柄ほど、株価は上がらないものだ。
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海外の投資ファンド動向も鍵。今回推奨の銘柄には香港籍の投資ファンドによる影響に期待するものも。

「プロでさえ判断に迷うくらいのほうが、株高の余地は大きい」と株式ジャーナリストの大神田貴文氏は話す。 「典型的例はディスコ。半導体ウエハなどの精密切断装置でトップシェアを誇ります。中間決算を受け、SMBC日興証券は、今年度下期に受注や営業利益が落ち込み、『業績の減速傾向が鮮明化』すると指摘しました。一方、野村證券はセンサー市場が’16年の年300億個から’23年には1兆個に、さらに’30年には50兆個に爆発的に拡大し、センサーの切断装置を生産する同社の目標株価を2万6040円から3万1603円へ大幅に引き上げました。アナリスト評価が割れているうちが買いでしょう」 「企業統治」もキーワードとして重みを増している。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が「環境銘柄」の株価指数を選別中だ。 「環境指数は積水ハウスが最有力候補。環境省が地球温暖化防止活動の優良企業として表彰しているほか、日経リサーチの『環境経営度調査2017』でも建設セクターで最高評価を獲得しています。グループ年商2兆円台の超巨大企業ですが、株式は薄商いなので、新指数の採用でGPIFやほかの投資ファンドの買いが入れば、株価へのインパクトは大きいでしょう」  企業統治でいえば、大株主の行動にも要注目。 「香港籍の投資ファンド『オアシス・カンパニー』が人材派遣大手のパソナグループ株を5%保有し、同業他社比での業績や株価低迷を指摘。収益分野への注力などを通じた企業価値向上を訴えています。以前、任天堂にもモバイル機器向けゲームの開発を訴え、その後の『ポケモンGO』の販売を後押ししたファンドだけに、株価を持ち上げるノウハウは豊富でしょう」  香港籍の投資ファンドが何を要求するのか、その行動に注目したい。 【大神田貴文氏注目銘柄】 ●ディスコ(東1・6146) 売買単位 100株 現在株価 2万8190円 目標株価 4万円 PER 30.95倍 PBR 5.28倍 配当利回り 1.06% 半導体関連産業の先行指標として有名。工場はフル稼働状態が続いているとみられる。株価や業績の変動幅が大きいのが特徴で、リスクを取れる中級者以上に好適な銘柄 ●富士フイルムホールディングス(東1・4901) 売買単位 100株 現在株価 4494円 目標株価 6000円 PER 18.5倍 PBR 0.92倍 配当利回り 1.67% ‘18年3月期は会社計画では減益予想だが、業績は好調に推移しており、一転して連続最高益の可能性が出てきた。自社株消却なら1株利益の増加で株価上昇が期待される ●積水ハウス(東1・1928) 売買単位 100株 現在株価 2098円 目標株価 3000円 PER 10.66倍 PBR 1.28倍 配当利回り 3.57% 生産工程での廃棄物削減に率先して取り組んでいるほか、省エネ住宅開発など環境政策でも政府と二人三脚でやってきた。GPIFが選定予定の環境指数では外せないだろう ●パソナグループ(東1・2168) 売買単位 100株 現在株価 1683円 目標株価 2500円 PER 70.13倍 PBR 3.25倍 配当利回り 0.71% 投資ファンド「オアシス・カンパニー」は経営陣による買収(MBO)による上場廃止も選択肢の一つと指摘している。MBOとなれば、買取額は時価より1~3割高が通例 ※株価などのデータは11月23日の終値 【大神田貴文氏】 株式ジャーナリスト。国内大手証券会社などを経て現職。マーケット情報に精通しているだけでなく、個別企業の裏情報も知る事情通。金融、経済政策にも強い 取材・文/エンスパ日本株取材班 ― 日経平均3万円時代の勝ちきり方 ―