株価が急落しても、企業自体に問題がなければ買い!

10倍株を意味する「テンバガー」。株式投資に興味のある人なら夢見たことはおそらく一度や二度ではないはずだ。今、最もテンバガーに近い銘柄は何なのか。精鋭たちが今年の夏に逃さず仕込んでおきたい“原石銘柄”を惜しむことなく伝授する

投資アナリスト・竹田嘉文氏が推奨

竹田嘉文氏

竹田嘉文氏

 低位株投資は、相場全体が落ち込んでいるときや、その銘柄の急落時を狙って買うのが基本」と語るのは、人気投資アナリストの竹田嘉文氏。 「急落後、そのままなくなってしまう銘柄もありますが、その会社自体に問題があるのではなく釣られて下がっているだけのケースも少なくない。一時的な需給による下落だと判断できたら、そこを喜んで買う勇気が大切です」  そんな竹田氏が厳選した推奨株が、次の4銘柄だ。 「セーラー万年筆は、万年筆の老舗メーカーですが、昨年11月に水処理装置事業への新規参入を発表したことで、一時株価が倍以上に跳ね上がりました。今でこそ株価は落ち着きを見せていますが、天然石の特殊加工で製造したセラミックに水を通すことで抗酸化する水処理装置『アクアセーラー』は、オフィスや病院など事業拡大の余地が大きい。そのほかにも、オリンピックに伴う環境やホテルなどでニーズが見込める『音声ペン』事業や個人向けの放射線線量計など、テーマ化しやすい材料があるので大化けが期待できます」
セーラー万年筆

水処理装置事業への参入が、セーラー万年筆の今後の鍵を握る

土地持ち企業は景気回復時に高騰

 オエノンホールディングスもオリンピック関連での値上がりが期待できる。 「オエノンホールディングスは老舗酒造メーカーですが、苫小牧のバイオエタノール工場などグループ全体で広大な土地を持っています。オリンピックや景気回復により含み資産関連が盛り上がれば、同社のような隠れた土地持ち企業が注目されます。以前に外資系証券が買い推奨のレポートを出したときに株価が跳ね上がったので、また誰かが取り上げたら数倍に値上がりしてもおかしくありません。同じ土地持ち企業としては、米穀卸の『ヤマタネ』なんかもオススメです」  バイオマス関係も、根強いテーマのひとつだ。 「フジコーは、バイオマス発電事業を積極的に拡大していますが、この会社の魅力はまだ規模が小さいこと。そのぶん大きな成長余地が残っています」  最後は、「このテーマはあまり期待したくないのですが……」という前置きとともに推奨してくれた東京計器だ。 「防衛省向けの製品に強い企業で、地政学リスクが高まると株価が上がります。万一、中国や韓国など周辺諸国との軍事的な衝突が起これば、数倍に跳ね上がるでしょう」  そのほかのオススメ銘柄としては、東京特殊電線とSJIを挙げる。 「東京特殊電線は、利益剰余金が14億円積み上がっていて復配が可能。SJIは中国人留学生が立ち上げた企業で、いざというときは中国系の大株主による救済が期待できます」  これらすべての銘柄に共通して言えることは、仕手化して一時的に爆上げした後、急落する可能性もあるという点だ。急に出来高が上がり高騰したときは、早めの利益確定を心がけたい。 「検索サイトの予測変換で『フジコー 仕手』のように怪しげなワードが出たら話題になり始めているサインなので、早めに売ったほうがいいでしょう」 【セーラー万年筆】 36円/1000株/最低購入金額3万6000円 昨年11月に水処理装置事業への参入を発表。一般住宅のほか、マンションやオフィス、病院、ホテル、学校などの販路の拡大を狙う。また、本をタッチすることで音声を出す「音声ペン』が、教育、医療・介護、観光分野で拡大よりが。特に観光分野は東京オリンピックに向けてニーズが期待できる。株価が33円と手頃なのも魅力。うまく掘り起こしてもらえれば、大化けする可能性が
セーラー万年筆

セーラー万年筆

【オエノンホールディングス】 244円/1000株/最低購入金額24万4000円 老舗の酒造メーカー。苫小牧のバイオエタノール工場のほか、グループ全体で広大な土地を所有しているが、歴史が古いので簿価が昭和初期のままになっている。地価が上昇に向かったタイミングで簿価を会計上見直せば、株価を刺激する材料になる。昨年一度、東京オリンピック関連で不動産や倉庫関係の銘柄が高騰し、今はいったん落ち着いたが、今後の再燃も十分に期待できる
オエノンホールディングス

オエノンホールディングス

【フジコー】 672円/100株/最低購入金額6万7200円 バイオマス関連の銘柄。建設廃棄物の中間処理事業が主力だが、廃棄食品の飼料化処理や乾式メタン発電などの食品系廃棄物処理事業も展開。昨年12月にはエナリスと合弁で岩手県に間伐材を利用した発電会社を設立した。投資対象としての魅力は、売上高が22億2600万円、純利益1億1400万円と、まだ会社の規模が小さい点。そのぶん、拡大路線に乗れれば大化けも可能と思われる
フジコー

フジコー

【東京計器】 270円/1000株/最低購入金額27万0000円 航海・航空機器大手で、戦闘機向けのレーザー警戒装置や潜水艦用の管制航法装置など、防衛省向けの製品に強い。中国との尖閣諸島問題や北朝鮮のミサイル実験など、周辺諸国との軍事的摩擦が本格的に大きくなりそうな事件が起こると、数倍に跳ね上がると予測できる。利益確定は早めに。事態が収まってきたというニュースが流れる頃はもう遅いので、早めの判断が必要となる
東京計器

東京計器

【竹田嘉文氏】 投資アナリスト。スリーアイ・マネージャー。ネットや雑誌などでも活躍する若手アナリスト。一部上場企業から新興市場まで、国内株式市場をカバーし、材料株や地場の情報収集に力を入れている ※株価、最低購入資金は6月13日終値。チャートは’13年12月14日~’14年6月13日 ― この夏勝負!の(秘)10倍株 厳選22銘柄【5】 ―
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