【株の裏道】知られざる地方の優良銘柄――中国・四国編

東京圏(東京、神奈川、千葉、埼玉)の人口が3500万人を超え、より東京一極集中が進む日本。だが、地方に目を向ければ、そこには知られざる優良株が隠れていた。全国の銘柄を知り尽くした投資のプロが注目銘柄を厳選紹介!

中国・四国地方

 昨年の広島カープのセ・リーグ優勝で沸き、一時的に消費が活発になったと言われる中国地方。この地域の注目企業を聞いてみると……。 「どうしても牧歌的な雰囲気の企業が多いのですが、伸びる企業は全然違います。業界の見通しをしっかり考え、それにそった商品を企画している企業もあります。その代表例が広島に本社を置く『やまみ』です」(レオス・キャピタルワークスのシニア・アナリスト佐々木靖人氏)
やまみ

「牧歌的な雰囲気の企業が多いのですが、伸びる企業は全然違う」と、佐々木氏は広島に本社を置く豆腐メーカーの「やまみ」を挙げる

’00年創業の新しい豆腐製造販売会社だ。昨年6月、豆腐の製造販売企業としては初めて上場を果たした。 「製造工程の機械化をすすめ、大量生産・大量納入が可能に。豆の選定も厳しく、品質にも注力しています。これによって、関西圏の大型スーパーなどを顧客にもち、コンビニの麻婆豆腐丼にも採用されるようになりました。今後、東海地方や関東地方へ打って出ていけば、ますますビジネス規模は大きくなるでしょう」(佐々木氏)  一方、四国に目を向けると……。 「四国は海に囲まれているうえに、GDPが低いんです。となると、大手企業は管理コストを考えると採算に合わない直営店舗を出しにくいですよね。それを逆に活かして大手のフランチャイズ店舗を大規模に展開するのが『ありがとうサービス』です」(日本創生投資CEOの三戸政和氏)
ありがとうサービス

四国地方でいきなりステーキなどのフランチャイズ事業を手がける「ありがとうサービス」は地理的分断が有利に働いている

 愛媛県今治市に本社を置く同社。ハードオフやブックオフ、モスバーガーや俺のフレンチなどを地元密着で展開する典型的な地方の安定企業だ。
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隠れグローバル企業も多い四国の優良企業
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